デジタルコンテンツは出版を変えるかオルタナブログ通信(2/3 ページ)

» 2009年10月23日 16時55分 公開
[森川拓男,ITmedia]

「Kindle」と「コルシカ」で電子出版は変わるのか?

 電子書籍の黒船になるだろうか。Amazonの電子書籍リーダー「Kindle」が、日本でも購入可能となった。佐藤比呂志氏「隠れた財産」のKindle日本上陸か?で指摘されるように、現在はAmazon.comから英語の本を購入できるだけだが、今後は日本語コンテンツが購入できるようになるのかが、注目されるところである。木村武弘氏「木村武弘のB型ブログ」のやっぱり大きなKindleも日本上陸!で書かれたように、Kindle上陸が電子書籍リーダーの覇権争いを生み、業界全体に刺激を与え、普及のきっかけになるのかどうか。目が離せないところである。

 Kindleには注意点もある。ITmedia海外速報部・佐藤由紀子氏「海外速報部ログ」の国際版Kindle、ダウンロード料金が米より4ドル高いらしいで指摘されるように、ダウンロード料金は、米国内よりも若干高くなるというのだ。

 電子書籍の一形態として注目されたのが、すべての雑誌をオンラインで供給するという「コルシカ」だろう。前回も取り上げたように、サービス開始から波紋を呼び、サービスの中止にまで追い込まれた。オルタナティブ・ブログでも、以下のエントリーがあげられている。ぜひ読んで、そして考えてほしい。

ブロガー ブログ コルシカは是か非か
木村武弘氏 木村武弘のB型ブログ 著作権っていったいなんなのさ。
「コルシカ」の復活を望んで
成井秀樹氏 なるいのDRM進化論 コルシカを否定しただけでは何も生まれない
コルシカを否定しただけでは何も生まれない(2)
コルシカを否定しただけでは何も生まれない(3)

 新しい“電子出版”、つまり“デジタルコンテンツ”の概念がまだ明確になっていないにもかかわらず、技術がどんどん先行してしまうために、法整備が追いつかないというのが現状ではないだろうか。

 これに付随して考えたいのが、米持幸寿氏「テクノロジーと希望」のデジタルモラル教育だ。また、木村武弘氏「木村武弘のB型ブログ」のWinny開発者、逆転無罪を考えるも注目の事例だ。

 もう一つ考えたいのは、成井秀樹氏「なるいのDRM進化論」の500円DVDが売れる理由。デジタルコンテンツをビジネスにしようと考えるのならば、避けて通れない話かもしれない。

ブログとTwitterの使い分け

 Twitterといえば“つぶやき”だが、小川浩氏「Speed Feed」のつぶやきシローさんTwitter開始、の件で、タレントのつぶやきシロー氏がTwitterをはじめた経緯が紹介された。著名人のTwitter参加が増えているが、斉藤徹氏「ソーシャルメディア。マーケティングにどう活用するか?」の【速報】TwitterとFacebook,そのトップ50ユーザーのリスト比較 (人名索引つき)にあるように、影響力があるのはやはり著名人なのかもしれない。

 Twitterに関する書籍が最近増えており、小林啓倫氏「シロクマ日報」が紹介した【書評】『ツイッター 140文字が世界を変える』は参考になりそうだ。また、加藤恭子氏「きょこ コーリング」の6月実施のTwitter調査結果第2弾のご報告です。では、Twitter利用に関する調査結果が紹介されているので、合わせて見るといいかもしれない。

 実際のTwitter利用例では、岩永慎一氏「THE SHOW MUST GO ON」のTwitterで追いかける通勤関連情報の、先日の台風時の活用が興味深かった。玉川岳郎氏「ニュータイプになろう!」のハッシュタグは #oow09jのように、イベントのハッシュタグをブログで公開し、より多くの人に見てもらうということも増えてきた。

 新倉茂彦氏「新倉茂彦の情報セキュリティAtoZ」のTwitterにスパム通知機能があるなら、「強制つぶやけ!」通知があってもいいのでは(自爆)や、方波見豊氏「破壊的イノベーションでキャズム越え」の【Twitter】1*.10.09 ついなびモバイル(twinavi.jp/mobile)で紹介されたような機能の追加も行われている。相変わらず遭遇するのが、西尾泰三氏「Planet GEEK」のTwitter、もう何度目か分からないくらいの不具合発生中でも指摘された不具合だ。

 これもあるなぁと感じたのは、中村昭典氏「中村昭典の、気ままな数値解析」の【140文字】 Twitter つぶやきなのに 書き直し…お粗末というエントリー。そもそもTwitterはどう使うべきなのか、ということにもつながる話題だろう。林雅之氏「『ビジネス2.0』の視点」のオルタナブロガー定例会に参加してブログのことを考えるや、ブログとTwitterの使い分けも参考になる。コメント欄に書かれた「ブログの投稿をTwitterと関連させ、さらにTwitterのつぶやきをブログにするサービスを使うと、無限ループでスパムになる」という指摘もうなずいてしまった。

 Twitterからは少し離れるのだが、ここで気になったエントリーを1つ。佐々木康彦氏「平凡でもフルーツでもなく、、、」のブロガーイベントに最近まともな企業は手を出さなくなってきていると言うけれど、そんな時に考えてみたい一手だ。企業の思惑どおりの結果を出せないという意見もあるブロガーイベントだが、事前の調査と準備次第では、十分な予算のない中小企業では検討価値があるというのではないだろうか。

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