クラウド時代のデータベース新潮流

日本オラクルと日立、ブレードサーバとRACによるDBサーバ統合で協業24台を3台に

日本オラクルと日立は、Oracleのデータベースクラスタリング技術と日立のブレードサーバを組み合わせたデータベースサーバの統合について、効果の検証を完了したと発表した。

» 2009年10月26日 20時40分 公開
[ITmedia]

 日本オラクルと日立製作所は10月26日、Oracleのデータベース(DB)クラスタリング技術と日立のブレードサーバを組み合わせたデータベースサーバの統合について、効果の検証を完了したと発表した。5年前のスペックの24台のPCサーバで稼働していたシステムを、処理能力は維持したま3枚のブレードサーバに集約した。日立は、この実績を基にブレードサーバの拡販を図る。

 協業の核となるのは、日立のブレードサーバ「BladeSymphony」の複数台のサーバリソースを、Oracleのデータベースクラスタリング技術である「Oracle Real Application Clusters(RAC)」を活用して、1インスタンスのシステムを構築する技術だ。

 日本オラクルの常務執行役員でシステム事業統括本部長を務める三澤智光氏は、従来多数のデータベースインスタンスが立ち上がっていたシステムが、1インスタンスになることの重要性を強調する。

 「多数のインスタンスが立ち上がっているとセキュリティなどを一括して管理する手法がない。1インスタンスなら管理を単純化できる」(三澤氏)

 今回、日本オラクルと日立は、サーバ統合の効果を数字で明確化するため、共同検証したデータを発表した。5年前のスペックの24台のPCサーバ(HA8000/270)および「Oracle Database 9i」で構築したWindows Server環境を、BladeSymphonyの小型集積モデルで2009年4月発売の「BS320」上の「Oracle Database 11g」に集約するというシナリオだ。

 結果として、サーバ台数を3台に減らした。5年前に24インスタンスだったデータベースが1インスタンスになった。両社は、ユーザー企業がこうしたサーバ集約などの取り組みを進めることで、運用保守コストの削減を含めたITインフラの改善を実現できるとしている。

 日立のエンタープライズサーバ事業部 山本章雄事業部長は、BladeSymphonyの海外展開について「海外は日本以上に実証データを大事にする傾向がある」とし、「サーバ統合の成果として数値で実績を示せるようになったことは重要な成果」だと話している。加えて「日立は海外でストレージが強いので、Oracle RACによるサーバ統合技術とストレージという組み合わせを良い武器にしたい」と話した。

 なお、今回の検証完了を契機にし、両社は協業関係を支援する施設として「日立―Oracle DB統合センター」を日本オラクルの「オラクル・グリッド・センター」内に新たに開設することを明らかにしている。

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