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» 2010年01月27日 08時00分 公開

あれ? このマウス“線”がないんですけど。悲しき女子ヘルプデスク物語(2/3 ページ)

[鐙貴絵,ITmedia]

危うし! マニアに奪われたエアマウス

 次の日、エアマウスを会社へ持っていく。いつも新しいキーボードを買っては自慢するAさんに、逆に自慢してやるためだ。ああ、わたしも結局、Aさんと同類なのね。

 出社してきたAさんに、早速声を掛けるわたし。するとAさんは……。

Aさん お、朝から元気だね。

わたし そりゃもう、テンション高いですよ。なんたって、ほら、これ見てください!

 もうちょっと引っ張りたかったけれど、つい我慢しきれず、バッグに手を入れる。もちろんマウスを取り出すためだ。

Aさん おお! なになに?

 Aさんのまなざしがわたしの手元に注がれる。マウスが入った箱を取り出すと……?

Aさん エアマウスじゃないか!

 言い終わるより早くAさんは、「使ってもいい?」とも聞かずわたしからエアマウスが入った箱を奪い取ると、当然のように箱を開けはじめた。恐るべし。まあいいか。今回は、わたしのほうからAさんのマニアスイッチを入れに行ったわけだから。

 そのAさんは、箱を開けて中身を取り出す間、「興味あったんだよねー」とか「一度使ってみたくてさあ」とか、ブツブツ言っている。きっとAさんも、テンションが高くなると一人言が出るタイプなんだろう。Aさんとわたしの最大の違いは、Aさんが最初に取り出すのはマウス本体ではなく、トリセツだということだ。Aさんは最初にしっかりトリセツを読むタイプで、こうなるともう、声を掛けても反応しない。いいんだか悪いんだか。仕方なく、仕事もせずに一心不乱にトリセツを読みふけるAさんを残し、席に戻るわたし。

 しばらくして「おお、これは!」と、Aさんの奇声?が聞こえてきた。見ると、昨日のわたしのようにエアマウスを空中で動かしては感嘆の声を上げていたのだ。ああ、これでしばらく、わたしの手元にエアマウスは戻ってこないのね……。


 するとその時、わたし宛に内線でヘルプコールが。Aさんをほったらかして電話に出ると、相手は今年入社したばかりの(といってももう半年以上たっているけれど)新入社員だった。

新人 マウスが動かないんです。

 偶然にもマウスのトラブルだ。デキスギのような気もするけれど、本当だから仕方がない。

わたし マウスが動かないというと? 画面の白い矢印が動かないのかしら?

新人 はい。昨日から動きが鈍いなあとは思っていたんですけど、今朝、PCを起動したら動かないんです。

わたし 昨日の仕事中、マウスは動いていたけど動きが鈍く感じた。そして今朝、動かない状態になったってことかしら?

新人 そうです。

わたし マウスのコネクタがPCにちゃんと挿入されているか、接続部分を確認してみてください。

新人 えっと……このマウス、線がないんですけど。

 さっきまで、無線タイプのマウスでAさんと遊んで……いえ、論議しようと思っていた矢先のことだ。どうやらその新人が使っているのも、無線タイプのマウスらしい。あれ? 無線タイプのマウスって会社で支給してたっけ? とりあえずわたしは、その新人の席に行って対応することにした。

わたし ああ、確かに、反応してないですね。

 見覚えのないマウスを操作しながらつぶやくわたし。このマウスの入手先は後で問い詰めるとして、まずは目の前のトラブルを解決することが先だ。キーボードはきちんと操作できるので、PC側の問題ではなさそうだ。

わたし PCはハングアップしている様子はないし……。

 あ、また一人言。この業界、一人言を言う人は決して珍しくない(と思う)。そしてわたしはその中でも、特に多い部類に入ると思う。もっともこの業界は、PCに話し掛けるようになったら一人前っていうし(ホントか?)。そんなことを考えながら、ワイヤレスマウスの相棒(?)であるドングルを確認した。接続は問題ない。パイロットランプが点灯するタイプのドングルではないので、認識しているかどうかは疑わしいが、昨日まで使えていたというのだから、大丈夫だろう。となると、マウスの電池か。

 マウスの電池カバーを開ける。すると中から出てきたのは単3の乾電池……ではなく、単4の乾電池を単3に変換するカバーをした充電池だった。また、器用なことをしてくれちゃって……。でもそれを見た新人クンは、耳を疑うような発言をしたのだ!

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