「Googleがタブレット開発」のうわさ、その意味は?(1/2 ページ)

GoogleがAndroidを搭載したタブレットの開発を検討しているとうわさされている。もしそのような製品が登場するのなら、GoogleはAppleに追いつけるのだろうか。

» 2010年04月20日 07時30分 公開
[Clint Boulton,eWEEK]
eWEEK

 AppleのiPadが発売から1週間足らずで45万台以上売れたことで、GoogleやMicrosoftなどのプラットフォームベンダーやHewlett-Packard(HP)のようなメーカーが独自の製品を本格的に投入する道が開かれた。

 New York Timesは4月12日に、GoogleがAndroidを搭載したタブレットの開発を検討していると報じた。書籍や雑誌などのコンテンツをタブレットで利用できるよう、出版社と話し合っていると伝えられている。

 このデバイスはGoogleのChromeブラウザを搭載し、AdobeのFlashをサポートする。Flashは、AppleのiPhoneとiPadではサポートされておらず、Flashを業界標準と認めている開発者はそのことに憤慨している。

 Googleはコメントを控えている。そこでeWEEKはこのニュースについて業界アナリストに意見を聞いてみた。予想通り、誰も意外に思っていないことが分かった。

 そもそもAndroidタブレットは既にArchosから提供されており、Dellが計画している「Dell Mini 5」タブレットもAndroidを搭載する。Notion Ink、ViewSonicなどもAndroidタブレットを計画している。調査会社IMS Researchは、これらのデバイスを合わせると、Androidは2010年にタブレット市場で24%のシェアを獲得し、シェア51%のiPadに次いで2位になると予測している。

 つまり、今年iPadはAndroidタブレットの2倍以上のシェアを獲得するということだ。さらに、Googleが自社ブランドのタブレットをリリースしたら、Nexus Oneのように自社のWebストアで販売するのだろうか? GoogleとNexus Oneを作ったHTC以外の人から聞いた話では、Nexus Oneは1月の発売以来あまり売れておらず、販売台数は20万台に届かないという。

 これ踏まえて、タブレットに関しては、AppleはiPadでGoogleやMicrosoftなどを打ち負かしたのではないかとアナリストに聞いてみた。AppleはiPhoneによって3年足らずでスマートフォン市場のシェアを25%獲得したが、同じようにiPadでリードを拡大できるだろうか?

 アナリストはこの質問に食いついてきたが、ほとんどは答えを出さなかった。タブレット市場はまだ新しく小さいため、勝者を宣言できないというのが大方の意見だ。AppleはiPadで消費者向けタブレット市場をスタートさせたかもしれないが、それで終わりというわけではない。少なくとも、Appleを信仰していない消費者にとっては。

IDCのアナリスト、アル・ヒルワ氏

 ヒルワ氏は、インターネットがあらゆる年齢層や職業の人々に広がるに伴って、ネット接続を必要とする人の90%以上は、コンテンツやデータを作成するよりも、利用する方がずっと多くなっていることは明らかだと語る。

 「ほとんどの人は、コンテンツの制作者でさえ、90%の時間をコンテンツ利用に費やしている。ここに大きな潜在機会があること、この機会が長期的に見るとPC市場よりも大きいかもしれないことはたやすく分かる。これを考えると、すべての主要プラットフォームベンダーはこの分野に参入しなくてはならない。デバイスをヒットさせるには、魅力的なユーザビリティ、パフォーマンス、アクセスのしやすさが必要だ。それがiPadを支えている魔法だ」

 「Androidデバイスもこの市場を見落としてはいない。この市場は数年は初期の段階にとどまるだろう。MicrosoftのWindows Phone 7を搭載したタブレットや、(BlackBerryを手掛ける)RIMのタブレットが6カ月以内に発表されても驚かない」

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