PC編 必ず導入しようウイルス対策ソフト今すぐ始めたい中小企業のセキュリティ対策チェック(2/2 ページ)

» 2010年10月28日 08時00分 公開
[新倉茂彦,ITmedia]
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アプリケーションはこまめに更新を

 ソフトには「脆弱性」と言われる、開発後に見つかる弱点が多く発生します。ここを狙った攻撃やウイルス感染もあります。広く利用されているPDF閲覧ソフトも古いままに使用すると、システムがクラッシュしたり、最悪の場合はシステムを乗っ取られることもあります。セキュリティの脅威がある以上は、対策をしなくてはなりません。脆弱性は後から発見されるものなので、常にソフトを最新の状態にしておくことが重要です。

 全般的な情報は、情報処理推進機構(IPA)の情報セキュリティのWebサイトを常に確認することで収集できます。

 OSに関しては、マイクロソフトのアップデートの自動更新を有効にしておくことで対処できます。ここにはOffice製品のWord、Excel、PowerPointなどの更新も含まれています。更新を行うと再起動するケースが多くありますが、面倒でも再起動を優先し、作業中のファイルを一時保存して、後で作業を続けるようにすればPCを安全に利用できます。

USBメモリの安全な使い方

 最近ではUSBメモリがウイルスの媒介になるケースが増えています。USBメモリはとても小さなものです。大容量のデータが入るメモリが数千円で購入できます。例えば1Gバイトのメモリには、新聞紙に換算して4万枚以上の情報が入ります。そもそも紛失しやすい大きさであり、大容量のデータが入るので、紛失することを前提に利用しなくてはなりません。

 情報漏えい事故でも、USBメモリの紛失がいまだに多くの割合を占めています。USBメモリを丸ごと暗号化するソフトも有料、無料を問わず多くあります。簡単なものではUSBメモリにデータを書き込んだ瞬間に暗号化するものがあります。暗号化したデータをUSBメモリにコピーすれば同じことなのですが、毎度の作業では手間がかかるために現実的ではありません。しかし、多少の手間がかかっても、紛失を前提で考えれば致し方ないことでもあります。

 また、ウイルス対策ソフトを導入していれば、先のUSBメモリを媒介とするウイルスも発見できる確率が高まります。USBメモリからPCにデータをコピーしたり、メモリ内のファイルを一覧したときに発見するという具合です。もちろんウイルス対策ソフトが最新の更新ファイルであることが前提になります。

次回はパスワードの危険と便利な作成方法について解説します。

新倉茂彦(にいくら しげひこ)

有限会社ティーシーニック代表取締役、セキュリティプロデューサー、MBA(経営情報学修士)

コンピュータセキュリティの論理的、物理的分野で経験を積み、ITリスクマネイジメントに5年間従事。現在は「狙う側の視点」から企業防衛をトータルサポートする情報漏洩対策・情報セキュリティのコンサルティングを提供。オルタナティブ・ブログ「新倉茂彦の情報セキュリティAtoZ」も執筆中。


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