インターネット編 Webブラウザの安全な使い方今すぐ始めたい中小企業のセキュリティ対策チェック(1/3 ページ)

予算や人材に限りのある中小企業は、セキュリティ対策を思うように進められないと言われます。身近に始められる基本的な対策のポイントを情報セキュリティコンサルタントの新倉茂彦氏が解説します。今回は「インターネットの安全利用」がテーマです。

» 2010年11月19日 08時00分 公開
[新倉茂彦,ITmedia]

 インターネットを利用したサービスには、Webサイトの閲覧、メールの送受信、動画の視聴、ファイルのダウンロード、メッセンジャー、SNS、オンラインショッピング、オンラインバンキング、オンラインゲームなどがあります。ほとんどのことがインターネットでできる時代になりました。最も利用する機会が多いのは調べ物で利用する検索ではないでしょうか。

 このインターネットに欠かせないソフトが「Webブラウザ」です。一般的なWebブラウザには、Internet ExplorerやFirefox、Google Chrome、Safari、Operaなど豊富な種類があります。Webブラウザは、日常のビジネスで使うアプリケーションをある意味で上回るほど重要な存在です。その多くが無料で提供されています。

 単なる閲覧ソフトであったWebブラウザですが、現在はWebブラウザの中だけで日常の業務がほとんどできてしまうほどに進化しました。しかし、このような利便性には必ず裏側が存在します。利便性と同等以上の危険性が含まれているのです。インターネットを安全に利用するには、その基本であるWebブラウザの機能を知ることが重要です。

私的なネットサーフィンの危険

 「怪しいサイトや有害サイトは見てはいけない!」――いけないと言われると、見たくなるのが人間の性です。それ以上に、そもそも危険だと知らずに見ていることの方が多いでしょう。

 インターネットのセキュリティ対策では、Webブラウザのセキュリティレベルを上げれば良いというわけではありません。本来わたしの立場からすれば、「セキュリティレベルを高くしましょう!」と言うべきです。しかし、セキュリティレベルを高くし過ぎると閲覧できなくなるページが出てきたり、動作するごとに確認を要求するメッセージが表示されたりするなど、必ずしも実用的ではありません。

 また、毎度ユーザーに確認させることは「反復効果」としてセキュリティに対する意識の浸透につながるのではないかと思われがちですが、実際には逆効果です。「データを保存しますか?」というメッセージを確認しないまま、WordやExcelの画面右上のバツボタンで終了させてしまい、「しまった!」という思いをした経験は誰にもあるはずです。

 インターネットにつなぎ、その先(Webサイト)を見に行くことは、治安の悪い危険な場所へ行くのと同じです。しかし、実際には多くのユーザーが近所のコンビニエンスストアや銭湯に行くのと同じような無防備な格好や準備で、Webサイトを見に行ってしまうのです。

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