政府はデータセンターの国内立地推進に向けて、特区創設および、コンテナデータセンター建設の規制緩和の検討を進めている。新IT戦略本部の調査結果や各省庁の見解を、オルタナティブ・ブロガーの林雅之氏が解説します。
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新IT戦略本部の「情報通信技術利活用のための規制・制度改革に関する専門調査会」は11月16日に、第2回の会合を開催しました。今後の検討会のすすめ方や検討項目の整理表を提示し、優先順位をつけた対応の検討を進めており、「検討項目に関する整理表」を見ると、全部で46の項目があげられています。
「データセンターの特区創設と国内立地推進について(まとめ)(9月30日)」でとりあげましたが、政府はデータセンターの国内立地推進に向けて、特区創設および、コンテナデータセンター建設の規制緩和の検討などを進めています。
昨年9月の「日米のコンテナ型データセンター」でとりあげましたが、マイクロソフトやグーグルなどはコンテナ型データセンターで構築運用し、規模の経済(スケールメリット)を生かしたサービスを展開しています。
本調査会においては「検討項目に関する整理表」の44番目に「データセンターの国内立地環境整備」があげられており、コンテナ型データセンター設置に向けた規制緩和の対応について記載されています。
項目名(44) データセンターの国内立地環境整備
項目内容
コンテナ型データセンターについて、建築物としての許認可に時間を要する、防火対象物としてスプリンクラーの設置が必要になる等の理由で国内立地が進んでいない。一方、海外では、コンテナ型データセンターが普及している。このため、国内立地推進において障害になっている建築基準法及び消防法の運用基準を明らかにするよう、明確な基準を作成する。
関係府省庁の見解(要旨)
国土交通省 (A:実施予定)
消防庁 (A実施予定)
経済産業省 (A:実施予定)
コンテナ型データセンターに係る建築基準法における取扱いの明確化については、「新成長戦略実現に向けた3段構えの経済対策」の「日本を元気にする規制改革100」(平成22年9月10日閣議決定)において「コンテナ型データセンターの設置について、無人運転が基本である等、その利用実態を踏まえて建築基準法上の建築物の対象外とすることを検討し、結論を得た上で、平成22年度中に措置を講じる」とされており、平成22年度中に取扱いを明確化し、特定行政庁・指定確認検査機関に対し周知徹底を図るとしている。
消防法の運用の明確化については、既に第18次構造改革特区提案に対して、コンテナ型データセンターが建築物以外の工作物となる場合の消防法の取扱いについて、運用の指針を明確化し、平成22年度中に消防機関等に対し周知徹底を図るとしている。
改正対象となる法令・制度(未定でも可能性のあるもの含む)
- 建築基準法第2条第1号の運用を明確化(新設・改正の必要なし)
- 消防法第17条第1項の運用を明確化(新設・改正の必要なし)
法令レベル
(法律の解釈)
経緯・検討状況・見通し
22年度中措置。
各省庁からも見解が示されています。
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