医者と患者は友達になれるか?――ソーシャルネットワークのメリットと限界オルタナブログ通信(1/3 ページ)

ビジネス・ブログメディア「ITmedia オルタナティブ・ブログ」では、ITにまつわる時事情報などが、約250人のブロガーによって、日々、発信されている。その中から今回は、「タイガーマスク運動」「ソーシャルメディア」「電子書籍」などを紹介しよう。

» 2011年01月28日 16時31分 公開
[森川拓男,ITmedia]

もしタイガーマスクがマスクを被っていなかったら?

 仮に最初の「タイガーマスク」が偽名を名乗らず、本名でランドセルを寄付していたとしたらどうでしょうか?

 もしタイガーマスクがマスクを被っていなかったら


 昨年末から、全国各地の児童養護施設などへタイガーマスクの主人公「伊達直人」を名乗る匿名の人物からランドセルが寄付される現象が断続的に発生し、話題となった。差出人名は、伊達直人だけではなく「桃太郎」や「ひみつのアッコちゃん」など種類が増え、贈られるものもランドセルだけでなく、米やバナナなどといった食料から、文房具や現金などに増えた。この「タイガーマスク運動」と呼ばれる善意の連鎖は、マスコミなどを通じて報じられますます広がりを見せている。ついには、松尾公也氏「CloseBox and OpenPod」のタイガーマスク + iPad + iPhoneの「みなし児のバラード」弾き語りにあるように、初音ミクからの寄付も行われたようだ。

 運動そのものは、杉本和隆氏「パブリシストのクチコミ」のタイガーマスク運動はなぜ話題になるのか?で書かれたように、「人の善意が社会運動化するという話題は、何ともいい気持ちにさせてくれる」。そして杉本氏が分析するように、3つのキーワードがこの運動を広げるために役立ったことは確かだが、何よりもテレビなどのメディアが積極的に取り上げてニュース化したことが、最大の要因だろう。

 これを指摘したのが、小林啓倫氏「シロクマ日報」のもしタイガーマスクがマスクを被っていなかったらだ。実は筆者も、小林氏や小林氏が引用した小田嶋隆氏の言葉にあるように、メディアによって「劇場化」された「タイガーマスク運動」について、違和感を覚えていた。

 小林氏は言う。「仮に最初の『タイガーマスク』が偽名を名乗らず、本名でランドセルを寄付していたとしたらどうでしょうか? 恐らく何のニュースバリューもないものとして、マスメディアに取り上げられることはなかったでしょう」と。結果として杉本氏が指摘したように、孤児院のバックボーンを持つ「タイガーマスク」という分かりやすい仮面を被ったため、「タイガーマスク運動」と呼ばれる大きなうねりへと広がった。

 問題は、小林氏が指摘したように「これからその関心がどのように帰着するかという点」だ。「一過性のブームで終わったり、不要なものを送りつける偽善的活動に変化してしまっては何にも」ならない。そして、残念ながら現状のマスメディアによる報道は、そうなる可能性を否定できない。

初代ゲッター復活?

 今回の「オルタナブログ通信」は、1月13〜19日にかけて「オルタナティブ・ブログ」へ投稿されたエントリーの中から、冒頭で取り上げた「タイガーマスク運動」のほか、「ソーシャルメディア」「電子書籍」などを紹介する。読者がオルタナティブ・ブログを読む際の参考にしてほしい。

 それでは、1月13〜19日を1月2週とした、過去8週分のオルタナティブ・ブログへの投稿状況グラフを見ていただこう。

1月13〜19日を最新としたオルタナティブ・ブログのステータス

 前回から引き続き高い位置で投稿総数が推移した。しかし実は1人当たりの投稿数は減っており、休暇明けによる影響も伺える。ニュースとしては、1月17日に伊地知天氏「Webトレンド」が新たなオルタナブロガーとして加わった。今後に期待したい。

 さらに、先日4代目ゲッターが就任したばかりの「ノベルティ ブログ」に、新展開が起きた。1月19日に初代ノベルティ・ゲッターの富嶋典子氏が、オライリーのカレンダー2011というエントリーを書いたのだ。あくまでも「これっきり」ということではあるが、このような特別出演も含めて、隠れファンも多い「ノベルティ ブログ」の今後に注目したい。

 それではここで、全エントリーのキーワードランキングを見ていこう。

順位 キーワード(カテゴリー) エントリー数 先週順位
1 社会 47 ↑(2)
2 ビジネス 45 ↓(1)
3 イベント 23 ↑(8)
4 ソーシャルメディア 19 ↑(21)
5 雑感 16 →(5)
6 クラウドコンピューティング 15 ↑(11)
15 ↑(8)
8 Facebook 14 ↓(6)
Twitter 14 ↓(3)
テクノロジー 14 ↑(12)

 先週3位だった「Twitter」が8位へと急落した。代わって上がってきたのが、「イベント」「ソーシャルメディア」だ。特に「ソーシャルメディア」は、Facebookを題材にした映画の公開などもあってか注目キーワードとして浮上している。逆に「Facebook」「Twitter」といった個別ワードの順位は下がった。なお、ベスト10以下には、同率11位に「書評」「ストリーミング・動画」「電子書籍」(12)、14位に「音楽」(11)……と続いている。

 それでは、オルタナブロガーが1月13〜19日にどのような話題を取り上げたのか、振り返ってみたい。

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