ネバダ州ラスベガスの「IBM Impact 2011」では、「成長に向けたビジネスを最適化」がテーマに掲げられ、次なる成長へと舵を切るグローバル企業らの積極的な取り組みが紹介された。
ラスベガスは相変わらずの不夜城だった。1カ月前の大震災の傷が癒えず、今も原子力発電所が危機的状況にある東京から訪れると、カジノの桁違いに大きなイルミネーションは嫌でも目に飛び込んでくるが、目抜き通りの喧騒は不思議と耳に届かない。まるでサイレントムービーを観ているようだが、米国は2008年のリーマン・ブラザーズの破綻が引き金となった金融危機から着実に立ち直りつつある。
現地時間4月11日、ネバダ州ラスベガスのベネチアンホテルで開幕したWebSphereユーザーのための年次カンファレンス「IBM Impact 2011」には8000人を超える顧客やパートナーが集まり、過去最大の規模となった。昨年が6000人だったので3割以上も増えている。セッションも660以上が用意され、そのうち8割以上が事例の紹介であったり、顧客が得た知見を共有できる内容となっているという。掲げられたテーマは、「Optimize for Growth. Deliver Results.」(成長に向けてビジネスを最適化し、成果を上げよう)。次の成長へと舵を切るグローバル企業らの「変革」に対する積極的な取り組みが反映されている。
早朝からホテルのボールルームで行われたオープニングの基調講演には、IBMでチーフ・マーケティング・オフィサーを務めるジョン・イワタ氏が登場し、同社の「変革」の歩みを改めて紹介した。同社の前身となるCTR(The Computing-Tabulating-Recording Company)が1911年に設立されてから今年で100周年を迎えるが、「単なるコンピューティングやサービスにとどまらない、それは“変革”の100年だった」とイワタ氏は話す。
「ラジオ時代に人気を博したビング・クロスビーが磁気テープに録音して放送していたことに着目し、われわれは企業のデータを蓄積できないかと考えた。変革とは、単に新しい技術や製品を提供することではなく、顧客が新しい世界へ自信を持って踏み出せるようにすることだ」(イワタ氏)
1960年代にはトーマス・ワトソン・ジュニアの下、メインフレーム、System/360を成功させ、その後もRDB、RISC、PCと、企業や社会の在り方まで変えてしまう「変革」の歴史が続く。
「WebSphereもそのひとつだ」(イワタ氏)
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