携帯端末を狙うマルウェア、過去6カ月で激増

特にAndroidではマルウェアに遭遇する確率が半年前に比べて2.5倍になったという。

» 2011年08月04日 18時43分 公開
[鈴木聖子,ITmedia]

 セキュリティ企業のLookout Mobile Securityが8月3日に発表したモバイルセキュリティの動向報告書によると、2011年上半期の半年間でモバイルマルウェアが激増し、特にAndroidではマルウェアに遭遇する確率が半年前に比べて2.5倍になった。

 Lookoutは世界で70万のアプリケーションと1000万台の端末から収集した情報を分析した。その結果、この半年間でモバイルマルウェアの影響を受けたユーザーは50万〜100万人と推計している。

 具体的には、正規のアプリケーションにマルウェアを仕込んだ海賊版アプリケーションがダウンロードサイトなどを通じて出回り、こうしたサイトで見つかったマルウェアアプリケーションは半年の間に80本から400本に増加。特に「DroidDream」を仕込んだアプリケーションは80種類以上が公開されたほか、6月には米国で、ユーザーが知らないうちに情報料代理徴収サービスの番号にメールを送って料金を払わせるAndroidマルウェア「GGTracker」が出現した。

 さらに、最初は正規のアプリケーションを公開し、ある程度のユーザーを獲得したところでマルウェアを仕込んだ更新版をリリースする「アップデート攻撃」も問題になっている。

 Webベース攻撃も深刻な問題として浮上した。モバイルユーザーのうち10人に3人が、悪質なリンクやフィッシング詐欺のリンクなどをクリックしてしまう恐れがあるとLookoutは推計。最近ではモバイル広告を使って悪質なWebサイトに誘導し、マルウェアを自動的にダウンロードさせる手口も使われるようになったという。

 今後もモバイル端末の利用者の一層の増加に伴い、モバイルマルウェアが横行し、高度化する傾向は続くとLookoutは予想している。

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