Google、「SuperPoke! Pets」などSlideのサービス打ち切りへ

Googleが2010年8月に買収したSlideのほぼすべてのサービスを打ち切る。終了するサービスには、Facebookで人気のゲーム「SuperPoke! Pets」や、つい先日公開したiOS向け写真共有アプリ「Photovine」も含まれる。

» 2011年08月29日 07時03分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 米Googleが2010年に買収したソーシャルアプリ企業Slideが提供するほぼすべてのサービスを打ち切る。Slideが公式ブログで8月25日(現地時間)、そう発表した。

 Googleは2010年8月に同社を買収した。詳細は公表されていないが、複数の米メディアによると買収総額は約2億ドル。Googleは買収の目的を、Gmailなど各種サービスのソーシャル機能をさらに強化していくこととしていた。

 Slideは買収後も同社のブランドでサービスを提供しており、17日には新たな写真共有サービス「Photovine」をiOSアプリとして米国で公開した。ただし、このサービスにはGoogleの名前も、Slideのブランドも関連付けられていない。

 Slideのブログによると、「Slideshow」「SuperPoke! Pets」「Photovine」「Video Inbox」「Pool Party」を含む多くのサービスを向こう数カ月のうちに終了するという。終了の理由として、「われわれは人々がつながり、コミュニケートし、共有するための楽しい方法を提供する目的でこれらの製品を開発した」が、「多くの製品はわれわれが当初望んだほどにはヒットしなかった」こととしている。現在、Slideの1カ月当たりのユニークユーザー数は2700万人以上。

 SuperPoke! PetsはFacebookとMySpaceで利用できるペット飼育ゲームで、ゲーム自体は無料だが、ユーザーはゲーム内でアイテムを買うことができる。Slideによると、これまでに2700万以上のアイテムが同ゲームで販売されたという。

 ユーザーが各サービス上にアップロードしたコンテンツについては、ダウンロードあるいは他のサービスへの移行をサポートする手段を提供していく。例えば、写真共有サービス上のユーザーの写真をGoogleの写真共有サービスPicasaにエクスポートする機能を準備しているという。

 Googleは、6月にソーシャルサービス「Google+」を立ち上げた。このサービスには写真共有機能など、Slideの製品と競合する部分がある。また、Googleのラリー・ペイジCEOは7月の業績発表の際、成長分野への取り組み強化を強調し、Google HealthおよびGoogle PowerMeterの終了に言及した。同社はGoogle Labsの閉鎖も発表している。

 なお、Slideの創業者でCEOのマックス・レフチン氏は、買収後Googleのエンジニアリング担当副社長を務めていたが、同社を去るようだ。Googleの製品管理担当副社長サンダー・ピチャイ氏がTwitterで「あなたがGoogleからいなくなるのはさみしいが、あなたが次に何をするのかが楽しみだ」とツイートしたのに対し、レフチン氏が「ありがとう。チャットできなくなるのはさみしいよ」と答えている。レフチン氏は米PayPalの共同創業者の1人でもある。エンジェル投資家として多数の新興企業をサポートしており、米Yelpの会長も務めている。

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