リアルボタンは、本当に「いいね!」なのか?オルタナブログ通信(2/3 ページ)

» 2011年09月03日 12時00分 公開
[森川拓男,ITmedia]

残業ではなく、前業を

 定時には退社を絶対にしなくてはいけない、ただ朝来て仕事するのは問題なし

 これからは残業より前業の時代!?:ネットバー


 ここ最近、朝の時間を使って仕事をこなしたり、自分磨きをしたりする「朝活」を実践する人が増えている。オルタナブロガーの中にも、朝カフェを開催した朝の時間を有効活用している人が多数いる。

 空野正輝氏「ネットバー」のこれからは残業より前業の時代!?では「変わった会社の仕組み」を紹介した。残業は禁止だが、早朝出社はOKという仕組みだ。誤解している人がいるようなので補足すると、早出した分の割増賃金は支払われる。ただし、残業を際限なく許すと長時間勤務になりがちだが、前業ならばある程度時間が限られるので、結果として「会社の経費は削減され、効果は抜群で大成功」なのだそうだ。

 ただしコメントで指摘されたように、定時退社を義務づけられても、仕事の状態によっては、サービス残業したり、家に持ち帰って仕事をせざるをえないこともあるし、その場合のセキュリティなども心配なところである。業種、業態にもよるのだろうが、極端に走るのではなく、緩やかなルールの中で、終業時間を決めるのがいいと筆者は考えるがどうだろうか。コメントの「過剰なノルマや顧客の無理な要望、無謀な人員削減、残業を前提とした給与体系、私はこれらが複雑に絡み合ってる」ことが根本的な問題だという意見には頷かされた。

 また、空野氏は「僕の会社の場合はフレックスなので残業という概念自体がないのでまったく関係ない」というが、それは間違いではないだろうか。フレックス制度でも就業時間は決められているので、それを超えれば残業となるはずだ。コアタイムの概念など、会社によって異なるので一概には言えないが。

リアル「いいね!」ボタン?

 有楽町に、日本初のリアル「いいね!」ボタンが仕掛けられていると聞いて行ってきました。・・・が、Facebookのアカウントとは連動しない、ただのボタンでした。

 ルミネ有楽町に日本初リアルに押せる「いいね!」ボタンが登場…?どうしてこうなった:山岡週報


 Facebookとリアルの融合は進んでいくのだろうか。山岡大介氏「山岡週報」が、ルミネ有楽町に日本初リアルに押せる「いいね!」ボタンが登場…?どうしてこうなったで、新たな事例を報告してくれた。しかし残念ながらこの「いいね!」ボタンは、「Facebookのアカウントとは連動しない、ただのボタン」だったという。

 「正確には、ここで押された『いいね!』の回数は、ルミネ有楽町の公式Facebookページの『Otona?スタイルを選ぼう!』で集計され、総数として反映されるというのですが、誰がいつ『いいね!』を押したのかはまったく分からない」。そこで山岡氏は疑問を呈する。「これってFacebookの『いいね!』ボタンである必要はどこにあるんだ?これが日本初の事例って言っていいのか?」と。

 「どこにも認証システムはなく」、「カウンターは付いていますが、誰でも、何回でも押せてしまう」――「見慣れたボタンはあるのに、それを押しても私のFacebookのウォールには何も反映されないのです。それ、誰の『いいね!』なんでしょうか?」

 しかし、このマーケティングの目的は別のところにあったようだ。というのも、このボタン、「確実に通行人の興味・関心を惹いていた」というのだ。山岡氏は「『果たしてFacebookを使う必要はあったのか?』、『なぜTwitterではなかったか』、『なぜログインさせないのか(させられなかったのか)』といった疑問点」が残ったというが、筆者は単純に、「いいね!」ボタンをリアルに作ることで一般の関心を引こうということだったような気がする。リアル「いいね!」ボタンを押すことがきっかけとなってFacebookに興味を持たせることが出来れば、そこから今後の広がりも期待できよう。

“個人”と“組織”の見解の相違?

 ある企業に勤める多くの比率の人が、ある意見に「賛成だ」とブログに書いたとします。しかし、企業の「公式」と言われる発表では「中立」あるいは「反対」と表明していたとします。これは、この企業が「中立」で「反対」というのは、一体なにを示しているのか、疑問に思えてきます。

 組織の意見を代表していません−とは言うけれど:テクノロジーと希望


 前回も取り上げた公式アカウント炎上の事例について、福田浩至氏「ショック・アブソーバー」がソーシャルメディア公式アカウントの運用心得〜「まんべくん」Twitter閉鎖の教訓で、詳細にまとめてくれた。「責任を自覚しないで,公式アカウントを運営することは,大変危険なことであることが明らか」になった。無料で使えるからとTwitterなどに気軽に手を出す場合もあるだろうが、いま一度考えてほしい。「コストも労力もかけずに,運営できる代物ではない」ことを。

 同時に、最近は自分の所属を明らかにした上で、個人のブログやTwitterなどで情報発信する人も増えてきた。オルタナブロガーは、その先駆者といえよう。

 それを踏まえて読んでほしいのが、米持幸寿氏「テクノロジーと希望」の組織の意見を代表していません−とは言うけれどというエントリーだ。米持氏は、「最近、すこし奇異に感じること」があるという。それは個人の意見と組織の意見の違いについてである。

 「これは私個人の意見であり、[組織名]を代表する意見ではありません。」というdisclaimer(お断り)をプロフィールに書いて情報発信をしている人が多い。では、組織と個人の意見が異なる場合はどうだろうか。「昨今のようなソーシャル時代では、個々人の意見があからさまにインターネットに公開され、他の人たちとシェアされる」ので、「それらとの不一致は、以外と簡単に見えて」しまう。これでは、「これまでのやり方での『組織としての公式発表』の重み付けが減少していく」のではないだろうか。

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