システム障害のダウンタイムを短縮化 シマンテックの次期ストレージ管理製品

シマンテックがストレージ管理製品「Veritas Storage Foundation 6.0」において、システムの高可用性に関する新機能を発表した。

» 2011年11月18日 20時19分 公開
[伏見学,ITmedia]

 シマンテックは11月18日、年内にリリース予定のストレージ管理新製品「Veritas Storage Foundation 6.0」についての記者説明会を開催し、システムの高可用性に関する新機能を発表した。

 今回発表された中で代表的な機能が、クラスタソフトウェア製品「Veritas Cluster Server 6.0」における障害検知機能「インテリジェント・モニタリング・フレームワーク(IMF)」である。これによって、アプリケーションの障害発生から発見までの時間が大幅に短縮できるようになった。

シマンテック システムエンジニアリング本部 ストレージ&クラスタ製品担当 技術部長の星野隆義氏 シマンテック システムエンジニアリング本部 ストレージ&クラスタ製品担当 技術部長の星野隆義氏

 従来製品では、監視プロセスは60秒に1回生成されていたため、障害が発生するとそれを発見するまでに平均で30秒かかっていたという。発見した後もデータアクセスの切り替え処理が行われるため瞬時にはリカバリできず、ダウンタイムは5分程度あるという状況だった。また、監視によるシステムへの負荷は大きいため、単純に起動間隔を短縮すればいいというわけではなかった。

 こうした問題を解消するため、IMFでは、アプリケーションのステータスをカーネルレベルで監視することで、状態変化をリアルタイムに検知できるようにした。障害を検知した場合、迅速にクラスタのコアプロセスに通知し、クラスタが必要な処理を行う。これによって、ダウンタイムが約30秒短縮し、可用性が向上したという。「従来の30倍高速に障害を検知できるようになった」と、同社 システムエンジニアリング本部 ストレージ&クラスタ製品担当 技術部長の星野隆義氏は胸を張る。

 さらにダウンタイムを減らすために追加されたのが、データアクセスの切り替えを短縮化する機能だ。既にUnixとLinuxでは提供済みで、新たにWindows環境に対応した。「Veritas Storage Foundation HA 6.0 for Windows」による排他制御技術と、クラスタのフェイルオーバー時に稼働系以外のホストをread-onlyとread-writeに切り替える対処で、Windows向けの独自ファイルシステム(NTFS)なしでもデータアクセスの切り替え時間を短縮できるようになった。IMFと併用することで障害発生からリカバリ完了までの時間をこれまでと比べて1分30秒程度も短縮できるという。

 そのほか、Veritas Cluster Server 6.0 for WindowsのWindows Server Hyper-V仮想マシンに対応したディザスタリカバリ(DR)機能や、Veritas Storage Foundation HAとLinux標準の仮想化技術「KVM」の協調によって、仮想マシンの可用性を高める「VMware HA」に相当する機能などを紹介した。

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