東京電機大学、仮想クラウド基盤を用いてキャンパス全体のインフラを刷新

新キャンパスの開校に合わせて、東京電機大学では仮想化・クラウドパッケージ製品「Vblock 300」を導入して大学全体のネットワークインフラ基盤を刷新する。

» 2011年12月16日 08時00分 公開
[ITmedia]

 東京電機大学は、2012年4月の東京千住キャンパス開校に伴い、学内全体の情報インフラストラクチャを刷新する。すべてのキャンパスにおいて、学生および教職員の利便性、運用性、拡張性の向上を目指す。

 基幹ネットワークの基盤として、VCEの仮想・クラウド基幹パッケージ製品「Vblock 300」を導入し、外部のデータセンターでプライベートクラウドを構築する。ネットワークインフラの構築、アプリケーションを含めたシステム全体の移行とプロジェクト管理をキヤノンITソリューションズが、Vblockの導入はネットワンパートナーズが担当した。2011年8月下旬からシステム刷新プロジェクトが開始。11月にはVblock 300をデータセンターに導入し、2012年4月からの本番稼働を予定している。

Vblock 300導入後のシステム概念図 Vblock 300導入後のシステム概念図

 具体的に刷新するインフラは、メールシステム、メールセキュリティシステム、学内Webシステム、Webファイルシステム、ネットワークセキュリティ、ネットワーク認証システム、マネジメントシステム、バックアップシステム、無線LANコントロールとなる。

 VCEは米Cisco Systemsと米EMC、米VMwareによって設立。Vblockは、CiscoのIAサーバや仮想スイッチと、EMCのストレージ、VMwareの仮想化ソフトなどを組み合わせたパッケージソリューション。Vblock 300は、SANやNASなどのストレージ・プロトコルや、管理・運用体系を統一できるユニファイドストレージに対応するため、キャンパス内に散在するサーバや、各サービスで分離されているシステムを集約管理できる。これによって、システム管理者の負担は軽減するという。

 これまで東京電機大学は、ICT基盤の仮想化において、事前検証作業や機器のチューニング、業務アプリケーションのマッチングなどのコストおよび時間に関する課題を抱えていた。今回のシステム刷新によって、システム構築にかかる期間や費用を大幅に削減するほか、これまで運用していたサーバスペースを75%削減、消費電力を従来の約65%削減できるという。

 今後、東京電機大学では、プライベートクラウド環境に各部門・学科で独自運営しているキャンパス内のサーバ集約を検討。東京千住キャンパス、埼玉鳩山キャンパス、千葉ニュータウンキャンパス、小金井キャンパスのサーバとネットワークも統合し、学内ネットワークシステムの全体最適化を図っていく。

東京千住キャンパス 東京千住キャンパス

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