製品テストは100項目以上 システム化で品質管理を徹底する廈門工場デルモデルの現場から学ぶグローバル戦術(2/2 ページ)

» 2012年04月09日 09時45分 公開
[伏見学,ITmedia]
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全作業工程の7割が製品テスト

 出荷するまでにCCCでは100項目以上の製品テストを実施。システムの動作チェックから、振動および衝突に関する強度テスト、電圧テスト、安全性テスト、塵や埃から故障を防ぐテストまで多岐にわたる。加えて、テスト内容は毎月のように見直して、最新の顧客ニーズに対応している。これら1つ1つのテストにパスしないと次のステップに進めないよう管理システムで統制している。

 Dell Chinaでグローバルサプライチェーンオペレーション シニアクオリティマネジャーを務めるJun Ma氏によると、CCC4での全工程の中でテストおよび検査にかける時間は7割に上るそうだ。さらに製品の複雑化によってテスト時間は増加傾向にある。そうした取り組みが功を奏し、不良率は前年と比べて毎年10〜30%の改善が見られるという。

組み立てられた製品はラックに並べられて、動作チェックやソフトウェアのインストールなどが行われる(左)、組み立て作業の様子(中)、梱包された製品はほぼ等間隔でベルトコンベアに乗せられていく(写真提供:Dell)

 品質管理もシステムで徹底。例えば、製品の組み立て担当者は腕にセンサーを付けており、作業中に部品を落としたりするとエラーが出て、新しい部品に交換されるなどする。また、製品組み立て後の動作テストおよびソフトウェアインストールをする段階では、ラックに製品を並べて、備え付けられたモニタで進ちょく状況を逐一確認。モニタが白色になれば正常にテストは完了、緑色がチェック中、赤色がエラー、紫色で点滅するモニタは通常よりも急いで出荷する必要がある製品といった具合だ。製品エンジニアが常に巡回しているので、エラーが出ている製品はすぐに回収され、再テストが行われる。作業者が一目で製品状況を把握できるという、管理しやすい仕組みになっているのもポイントだという。

 CCC4にはパートナーやベンダ各社が常駐しており、トラブル発生時などにはすぐに生産ラインに駆け付けてサポートできる体制を構築している。また、多くのサプライヤーの部品工場はCCC4から3キロメートル圏内にあるため、2時間ごとに新しい部品が供給されるようになっている。

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