「Flameマルウェアも米国とイスラエルが開発」と米紙報道、対イラン攻撃の一環か

米紙Washington Postによると、Flameの開発には米国家安全保障局(NSA)や米中央情報局(CIA)、イスラエル軍が関与。Stuxnetによる破壊活動も計画の一環だった。

» 2012年06月20日 07時56分 公開
[鈴木聖子,ITmedia]

 米紙Washington Postは6月19日、極めて高度な機能を持つマルウェア「Flame」について、イランの核開発計画を遅らせる目的で米国とイスラエルが開発したものだったと報じた。これに先立ちNew York Timesも、両国がマルウェア「Stuxnet」の開発にかかわっていたと伝えている。

 Washington Postは「この問題に詳しい西側当局者」の話として、Flameはイランの核兵器開発妨害を狙ったサイバー攻撃に備え、情報収集のために米国とイスラエルが共同開発したと報道。同マルウェアは密かにイランのコンピュータネットワークのマッピングを行い、イラン当局者のコンピュータを監視して、情報を送り返してくる設計になっていたという。

 同紙によると、Flameの開発には米国家安全保障局(NSA)や米中央情報局(CIA)、イスラエル軍が関与。Stuxnetなどの破壊的なソフトウェアを利用してイランのウラン濃縮施設を機能不全に陥れることも計画の一環だったとされる。

 米情報当局の元高官は同紙に対し、FlameとStuxnetはさらに広範な攻撃の構成要素であり、その攻撃は現在も続いていると指摘。「イランの計画に対するサイバーコレクションは、これよりもはるかに先を行っている」と述べている。

 Flameは主にサイバースパイの機能を持つ極めて高度なマルウェアで、各国のセキュリティ企業やイランのセキュリティ機関が最近になって存在を確認。イランの核施設などに対するインフラ攻撃に使用されたStuxnetとの関連も指摘されていた。

 Washington Postは一連の攻撃について、米国が敵国に対して仕掛けた初の本格的なサイバー破壊活動だったようだと伝えている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ