Microsoft決算、上場後初の赤字 aQuantive買収の営業権減損で

Microsoftの4〜6月期決算は、売上高は4%増、純利益は営業権減損などの特殊要因を除くと6%増だった。

» 2012年07月20日 08時11分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 米Microsoftが7月19日(現地時間)に発表した第4四半期(4〜6月期)決算は、純損益が4億9200万ドル(1株当たり60セント)の赤字となった。四半期決算が赤字となるのは1986年の上場以来初めてのことだ。3日に発表したオンラインサービス部門での約62億ドルの償却が響いた。

 この償却は、主に2007年の米aQuantive買収に関連する営業権減損に関連するもので、Microsoftは業績への影響はないとしている。

 売上高は前年同期比4%増の174億700万ドルだった。営業利益は97%減の1億9200万ドルだが、非GAAPベースでは12%増の69億3000万ドル。営業権減損などの特殊要因を除いた非GAAPベースの1株当たり純利益は73セントで、前年同期比6%増。アナリスト予測は売上高が181億1000万ドル、1株当たり純利益62セントだった。

 売上高を部門別でみると、Windows Serverや開発ツールを担当するサーバ&ツール部門が14%増の50億9200万ドル。9期連続の2桁成長となった。前期に続き、SQL Serverが好調だった。「Windows Server 2012」は9月に発売の予定だ。OfficeやDynamics製品を扱うビジネス部門は7%増の62億9100万ドル。「Office 2013」の発売は10月の予定。WindowsおよびWindows Live部門は13%減の41億4500万ドルだった。「Windows Upgrade Offer」の影響を除くと、前年同期比1%減となる。「Windows 8」も10月に発売の予定だ。

 Xbox、Kinect、Xbox Live、Windows Phone、Skypeなどを扱うエンターテインメント&デバイス部門は16%増の17億7900万ドルだった。営業損失は2億6300万ドル。

 BingやMSNなどのオンラインサービス部門は、売上高は8%増の7億3500万ドルだったが、営業損益は営業権減損を含め66億7200万ドルだった。Bingの米国での検索市場シェアは前年同期比1.2ポイント増の15.6%に拡大したという。

 スティーブ・バルマーCEOは発表文で「われわれは、Microsoft史上最もエキサイティングな新製品発売ラッシュを迎えようとしている。来年度にはWindows、Office、Windows Server、Windows Phoneの新バージョンと新製品をリリースする計画だ」と語った。

 今後の見通しについては、2013年通年の営業経費の見積もりを303億〜309億ドルと発表した。

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