ビッグデータに最適、日本オラクルが最大900テラバイトまで拡張可能なテープライブラリを発表

テープライブラリ装置の新製品「StorageTek SL150 Modular Tape Library」の提供を開始した。

» 2012年08月30日 18時03分 公開
[ITmedia]

 日本オラクルは8月30日、テープライブラリの新製品となる「StorageTek SL150 Modular Tape Library(SL150)」を発表した。カートリッジ1巻当たり1.5テラバイトのデータ格納が可能な最新規格「LTO-5」準拠し、最大容量を900テラバイト(非圧縮時450テラバイト)まで拡張できる。

StorageTek SL150 Modular Tape Libraryの基本モジュール。右はドライブユニットと電源ユニット、左はテープカートリッジ

 SL150は、従来製品よりも拡張性や運用性を高めている点が特徴という。基本モジュールにモジュールを増設できる構成で、最大9台までモジュールを増設できる。各モジュールにドライブ2台とテープ30巻(15巻入りマガジンを2つ)まで搭載可能となっており、モジュール当たりの合計容量は45テラバイト(「2:1」圧縮時は90テラバイト)となる。

 3Uサイズの基本モジュールには、テープを搬送するロボット機構や電源ユニット(最大2台、冗長化)が搭載され、拡張時に増設したモジュールへの電源供給や制御、テープ搬送なども担う。増設用モジュールはドライブやマガジンの搭載スペースを拡張する2Uサイズの筐体で、基本モジュールの底板を外して下方に追加し、背面のUSB端子を接続するだけで利用できるようになる。基本モジュール内にあるコントローラでモジュールの増設を自動的に認識し、USB経由で給電される。

 また、基本モジュールにタッチパネルの7インチ液晶ディスプレイも搭載する。GUI画面で簡単に初期設定ができる。リモートからはブラウザベースの管理画面を利用。ドライブや電源などのコンポーネントもユニット化して保守性を高めたとしている。

ドライブや電源の作業は背面からアクセスして容易に増設・交換できる構造だ。電源ユニットは冗長化構成で、写真右上には拡張ユニット接続用に9基のUSBポートが備わっている

 SL150は、同社StorageTekシリーズテープライブラリ装置ラインアップの中で、エントリーからミッドレンジまでのボリュームゾーンをカバーする製品という位置付けだ。

 システム事業統括 ビジネス推進本部 ストレージ担当ディレクターの阿部恵史氏は、L150の販売戦略について「高い拡張性で旧モデルや競合製品のリプレースニーズを創出したい。またOracle Database Appliance(ODA)との接続も検証済みであり、ODAユーザーは短期間でバックアップ機能を利用できるといったメリットもある」と説明。また、「ビッグデータ時代の現在では大容量のデータを安価かつ低消費電力で保管したというニーズが高まっており、新しい需要が生じている」とした。

 新製品は同日から提供を開始しており、価格は63万4022円(最小構成)からとなる。

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