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» 2012年09月14日 17時00分 公開

人生はサーフィンのように:動かぬ彼を動かすには (2/3)

[竹内義晴(特定非営利活動法人しごとのみらい),ITmedia]

「やりたいレベル」を上げる

 やりたいと思った刺激が「外的衝動」か「内的衝動」かによっても、やりたいレベルは大きく変わります。例えば「テレビで○○がいいと言っていた」「○○が流行っている」というような「外的衝動」によって生まれたものは、「なんとなくやりたい」くらいの低いレベルです。

 これに対し、大切な人の死や自然災害が起きたときのような「これは絶対にやらなきゃだめだ」「今、これをやらならければ大変なことになる」「これは、私の使命だ」というような「内的衝動」によって生まれたものは、やりたいレベルが高くなります。けれども内的衝動との出会いの多くは偶発的です。

 ということは、「外的衝動」によって起こった「なんとなく」を、「やらなきゃ」という「内的衝動」に変える(つまり、自分が行動する理由を明確にする)ことができれば、やりたいレベルを上げて行動に結びつけることができそうです。

「やらなければならないこと」を行動に変える

 「外的衝動」を「内的衝動」に変えるステップは比較的簡単です。「なぜ、それをするのか」「それをすることの意味は何なのか」(信念や価値観)を明確にすればよいのです。

 例えばテレビを見て「ダイエットしたい」と思ったとします。このレベルはまだ外的衝動で、やりたいレベルはかなり低い。そこで「それによって、何が得られるのか?」を繰り返し考えてみます。

 「外的衝動」が少しずつ、信念・価値観レベルの「内的衝動」に変わってくることがお分かりいただけるでしょうか。このように私たちがなんとなく抱く「○○したい」には、それを思わせる背景があり、それを繰り返し考えていくと、「自分にとって本当に大切なこと」が見えてきます。

 それはまるで、階段を一段一段登っていき、自分がまだ気がついていない大切な価値観に触れるような感覚です。自分の中の「なぜそれをするのか」という使命感や、それをすることの意味が明確になれば、やりたいレベルを上げ、行動につなげやすくなるでしょう。場合によっては、信念・価値観レベルに到達する前に、自分にはそれほど大切なことではないことが分かり、今やる必要はないと決断することに役立つでしょう。

 実際、この方法で「自分にとってのダイエットの本当の目的」を見出し、10キロのダイエットに成功した人もいます。

チーム内で「内的衝動」を作る

 これは、組織にも当てはまります。新しいプロジェクトが始まるときの多くは、「最近、○○が流行っているらしいから、うちでもやろうよ」「今度○○を新しくリリースしたいんだけど、一緒にやらない」といった形で原案がスタートします。「いいね! 面白そうだね!」と人が集まり、最初は軽いノリで盛り上がります。

 けれども、時間経過とともにプロジェクトの進行に一部で遅れが生じ、最初は盛り上がっていたメンバーも少しずつ離れ始めます。「○○さんがやってくれないから」「そもそも、こんなんじゃだめだよね」などのネガティブな意見が聞こえ、気がつくと何も進まず誰もいなくなって放置されたプロジェクトが、あなたの周りにもあるでしょう。

 プロジェクトの初期は軽いノリでいいと、私も思います。最初からやれリスクだ、やれスケジュールだとやっても、なかなか行動に移せませんから。

 けれども、最初にあった「○○したいよね」の裏にある、それぞれの人が抱く背景にはいろんな思惑があって、違う方向を見ていることも多いものです。「なぜ、それをするのか」がメンバー間で共有できておらず、内的衝動に落ちていない場合は、プロジェクトが進まなくなってしまいます。

 そんなときは、改めて「私たちにとって本当に大切なこと」をチームのみんなで明確にすると、次の行動が生まれる可能性が出てきます。

 プロジェクトの目的を明確にし、それを個人の「内的衝動」にする場合のやり方は、先ほどの「それによって、何が得られるのか?」を繰り返し問うと導けます。言葉をちょっと工夫して「○○さんにとってこれはどんな意味があるんですか?」「これをすることで、○○さんはどうなれるのですか?」……などと繰り返し問いかけるといいでしょう。階段を一段ずつ、ゆっくり登る(あまり急かさない)ように問いかけるのがポイントです。

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