Teradataの社長兼CEOを務めるマイク・コーラー氏も、多種多様かつ膨大なデジタルデータから価値を引き出す、いわゆる「ビッグデータ」の活用がここへきて現実のものとなっているとし、アナリティクスやマーケティングへと実際に役立てることができるTeradataのソリューションは競合他社にはない強みだと自信を見せる。
「ビッグデータの活用とは、新しい構造のデータを既存のデータと組み合わせ、すべてのデータから価値を見出すこと。企業にとっては大きな機会であり、そこから引き出された新たな価値はすぐに競争力へとつながる」とコーラー氏。
Teradataデータベースは約30年前、並列処理型のリレーショナルデータベースとして産声を上げた。あらゆる処理を並列で行おうとするアーキテクチャーはいまだに他社の追従を許さない。世界の名だたる企業がTeradataで大規模なデータウェアハウスを構築し、意思決定支援に役立てている。コーラー氏によれば、実に34の企業がペタバイト級のデータウェアハウスを構築しているという。
並列処理に長けたTeradataは、ビッグデータへの対応もいち早く手を打っている。昨年春、Webのアクセスログやテキストデータといった膨大な多構造化データの分析を得意とするAster Data Systemsの買収だ。
新たな並列処理型データベースとして仲間に加わった「Teradata Aster」は、リレーショナルデータベースと、Googleが採用した並列処理のためのMapReduce技術を統合したもの。SQL記述と同等のスキルでMapReduceの関数を利用することができる同社の特許技術(SQL-MapReduce)は、企業が既存のスキルやBIツールを生かしてビッグデータから洞察を導き出すことを可能とする。
MapReduceの関数は、時系列/経路分析、統計解析、テキスト分析など、50があらかじめ用意されているほか、コミュニティーによって作られた関数も入手できるようにしており、開発に掛かる手間を省くことができるという。
用意される主な関数 | |
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時系列/経路分析 | セッショナイズ、時系列などの順序データにおけるパターン発見 |
統計解析 | 各種基礎統計、および回帰分析などの多変量解析 |
テキスト分析 | 文章および文字列からキーワードを抽出/分割 |
クラスター分析 | 類似のデータ傾向に基づいてグルーピング |
デシジョンツリー分析 | 分岐ルールに基づく予測モデルを構築 |
関連性分析 | データ間の重要な関係を発見 |
データ変換 | 各種データ変換、操作機能 |
主な用途 | |
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マルチチャネルアトリビューション分析 | 各マーケティング活動の貢献度を定量化 |
デジタルコンテンツの最適化 | 利益を最大化する広告、商品、メッセージの選定 |
Webサイト経路、ゴールデンパス分析 | Webサイト導線上のボトルネックとゴール行動への有効経路理解 |
インフルエンサーおよび口コミ分析 | ソーシャルネットワーク上の影響度理解 |
クロスセル、リコメンデーション | 類似性に基づく提案商品の特定 |
不正検知 | 不正のパターン、ルールの理解 |
マシンおよびセンサーデータ分析 | 品質コントロールや異常検知 |
顧客行動予測(解約や離反、購入) | 行動モデリングおよび確率スコア計算 |
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