並列処理の3兄弟がそろい踏み? Teradataから「ビッグデータトライアングル」Teradata PARTNERS 2012 Report(2/3 ページ)

» 2012年10月23日 08時00分 公開
[浅井英二,ITmedia]

ビッグデータ活用とは新しい構造のデータを組み合わせること

NCR時代からのベテラン、TeradataのコーラーCEO

 Teradataの社長兼CEOを務めるマイク・コーラー氏も、多種多様かつ膨大なデジタルデータから価値を引き出す、いわゆる「ビッグデータ」の活用がここへきて現実のものとなっているとし、アナリティクスやマーケティングへと実際に役立てることができるTeradataのソリューションは競合他社にはない強みだと自信を見せる。

 「ビッグデータの活用とは、新しい構造のデータを既存のデータと組み合わせ、すべてのデータから価値を見出すこと。企業にとっては大きな機会であり、そこから引き出された新たな価値はすぐに競争力へとつながる」とコーラー氏。

 Teradataデータベースは約30年前、並列処理型のリレーショナルデータベースとして産声を上げた。あらゆる処理を並列で行おうとするアーキテクチャーはいまだに他社の追従を許さない。世界の名だたる企業がTeradataで大規模なデータウェアハウスを構築し、意思決定支援に役立てている。コーラー氏によれば、実に34の企業がペタバイト級のデータウェアハウスを構築しているという。

 並列処理に長けたTeradataは、ビッグデータへの対応もいち早く手を打っている。昨年春、Webのアクセスログやテキストデータといった膨大な多構造化データの分析を得意とするAster Data Systemsの買収だ。

 新たな並列処理型データベースとして仲間に加わった「Teradata Aster」は、リレーショナルデータベースと、Googleが採用した並列処理のためのMapReduce技術を統合したもの。SQL記述と同等のスキルでMapReduceの関数を利用することができる同社の特許技術(SQL-MapReduce)は、企業が既存のスキルやBIツールを生かしてビッグデータから洞察を導き出すことを可能とする。

 MapReduceの関数は、時系列/経路分析、統計解析、テキスト分析など、50があらかじめ用意されているほか、コミュニティーによって作られた関数も入手できるようにしており、開発に掛かる手間を省くことができるという。

用意される主な関数
時系列/経路分析 セッショナイズ、時系列などの順序データにおけるパターン発見        
統計解析 各種基礎統計、および回帰分析などの多変量解析
テキスト分析 文章および文字列からキーワードを抽出/分割
クラスター分析 類似のデータ傾向に基づいてグルーピング
デシジョンツリー分析 分岐ルールに基づく予測モデルを構築
関連性分析 データ間の重要な関係を発見
データ変換 各種データ変換、操作機能

主な用途
マルチチャネルアトリビューション分析 各マーケティング活動の貢献度を定量化
デジタルコンテンツの最適化 利益を最大化する広告、商品、メッセージの選定
Webサイト経路、ゴールデンパス分析 Webサイト導線上のボトルネックとゴール行動への有効経路理解
インフルエンサーおよび口コミ分析 ソーシャルネットワーク上の影響度理解
クロスセル、リコメンデーション 類似性に基づく提案商品の特定
不正検知 不正のパターン、ルールの理解
マシンおよびセンサーデータ分析 品質コントロールや異常検知
顧客行動予測(解約や離反、購入) 行動モデリングおよび確率スコア計算

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