バラク・オバマ米大統領、人権活動家のマララ・ユスフザイ氏に次ぐ3番手に選ばれたAppleのティム・クックCEOについて、ジャーナリストのレヴ・グロスマン氏は「AppleのCEOというよりAppleの製品のようだ」と評した。
Time誌は12月19日(現地時間)、今年最も影響力のあった「Person of the Year 2012」に、11月に米大統領に再選されたバラク・オバマ氏を選出したと発表した。同氏は大統領として初当選した2008年にも“今年の人”に選ばれている。
Time誌は、オバマ大統領を「新しい米国の象徴であり、創造者でもある」と評価している。
米Appleのティム・クックCEOは、最終選考の4人に残った。クックCEOの他には、女性が教育を受ける権利を訴え、イスラム武装勢力に銃撃されたパキスタンの人権活動家、マララ・ユスフザイ氏、エジプト革命後に大統領に選出されたムハンマド・モルシ氏、イタリアの素粒子物理学者ファビオラ・ジャノッティ氏が選ばれた。クック氏はユスフザイ氏に次ぐ3番手だった。
クック氏をインタビューした作家でジャーナリストのレヴ・グロスマン氏は、クック氏を「AppleのCEOには見えず、むしろAppleの製品のようだ。物静かできちんとしており、注意深く仕上げらていながら同時に暖かく、人を引き付ける。彼はジョブズ氏には似ておらず、ジョブズ氏が創造したもののようだ」と評している。
最近のiOS 6の地図問題やAppleの株価下落について尋ねられたクック氏は、「私はAppleに15年勤めているから、Appleについてはよく分かっている。(株価下落などの問題の)すべてが予想通りだという意味ではないし、予測できない。だが、予測不可能であることが(Appleの)常なのだ」と答えた。グロスマン氏は、「彼はApple製品と同様、親しみやすいが中身を見せてはくれない」としている。
Appleは今年、多数の新製品やサービスをリリースし、売り上げも順調だが、これらの製品は(次に出るとみられる“iTV”を含めて)まだジョブズ氏が生前に計画していたものだ。クック氏の真価が問われるのは、その次にAppleらしい予測不可能な製品を打ち出せるかどうかにかかっているとグロスマン氏はインタビュー記事の最後に書いている。
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