「ビジネスにはビジネスタブレット」── パートナーらと新市場創造に挑む日本HP(2/2 ページ)

» 2013年01月18日 08時00分 公開
[浅井英二,ITmedia]
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 企業の情報システムの場合、モバイルツールを利用する「人」がいて、運用の「ポリシー」があり、そして培ってきた「アプリケーション」というさまざまな資産がある。新しいテクノロジーの導入に際しても、これらの資産を継承できることが条件となるだろう。

 「Windowsは、“こんなもの使えない”と叩かれ続けて、長年改良が続けられてきた。iOSやAndroidに対して一日の長がある。さらにHPとしても、企業向けのWindowsタブレットには、SSD全体の暗号化やアクセス制限など独自の統合セキュリティソフトウェアを標準搭載しており、今後は位置情報による動的なポリシー設定などへの対応も予定している」と岡氏。

妥協せずビジネス向けに開発したWindows 8タブレット

頑丈さが際立つElitePad 900

 日本HPは2月中旬にも、Windows 8を搭載した新しい企業向けのタブレット「ElitePad 900」を出荷する計画だ。アルミ削り出しの筐体とCorning社製のゴリラガラス2を組み合わせたElitePad 900は、薄く軽いうえ、76センチの高さからの落下や振動、粉塵、過酷な温度条件など、米軍調達基準である「MIL-STD-810Gテスト」をパスした堅牢性を備えているという。

 もちろん、企業導入となれば、長期間利用することになる。ElitePad 900では5年は使うことを想定し、バッテリー交換できる保守性はもちろんのこと、「ジャケット」装着による拡張性にも優れており、ビジネスでの用途も広がる。

 例えば、セカンドバッテリー付きの「拡張ジャケット」を装着すれば、最大約18時間の連続駆動と、USB 2.0、HDMI、SDカードスロットなどの各種インタフェースが利用可能になる。そして当然だが、Windowsタブレットなので、Windowsで培った資産はそのまま活用できる。バーコードリーダーやカードリーダーを搭載したジャケットと組み合わせれば、店頭で使えるスタイリッシュなPOS端末にもなる。日本HPではパートナーらとともに新しいタブレットを核としたソリューションの拡充を図っていくという。

 「企業顧客は、Windowsのロードマップを検討し、既存のシステムと継続性を維持しながら計画的に導入できるし、特定業務に特化したジャケットもサードパーティーから提供されるだろう。ハードウェアメーカー、周辺機器メーカー、そしてソフトウェアメーカーからなるMicrosoftのエコシステムは、30年の歴史があり、競い合いながらより良いソリューションを企業顧客に提供してきた」と岡氏は自信を見せる。

 「製品にはコンセプトがある。HPのビジネスタブレットは、妥協せず企業向けに特化して今後も開発が続けられる。今は堅牢さやセキュリティ機能が大きな特徴と映るかもしれないが、将来はコンシューマー向けとは全く異なる製品になるはず。ビジネスにはビジネスタブレットだ」(岡氏)

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