「ウチのビッグデータ活用はどうなってる?」── 企業トップの声に応えるTeradata

バズワードになったことで、ビッグデータに関する経営トップの関心も高まっている。Teradataは'80年代、1号ユーザーであるWells FargoとAT&Tに超並列RDBを納入して以来、名だたる企業のデータ活用を支援してきた。テクノロジーはもちろん、業界のナレッジでも一日の長がある。

» 2013年03月11日 18時30分 公開
[浅井英二,ITmedia]
ドイツ・ミュンヘンにオフィスがあるものの世界を飛び回っているウィマー氏

 「ビッグデータを分析するための優れたテクノロジーはもちろんのこと、それを生かすためのコンサルティングでもリーダーでありたい」── Teradataで米州以外のインターナショナル市場を統括するプレジデント、ハーマン・ウィマー氏はそう話した。同社は先週、都内のホテルで「Teradata Universe Tokyo 2013」を開催し、ビッグデータ分析に最適化された「Teradata Aster Big Analytics Appliance」を国内でも正式発表している。

 「これまでの構造化された、例えば、取引データや課金データのようにRDBで扱えるデータに加え、最近はソーシャルメディアやセンサーが膨大かつ多種多様なデータを生み出し始めた。こうしたさまざまなデータを分析してビジネスに生かさなければ、企業は競争を勝ち抜けない。われわれは、この分野が魅力的だと考えられるずっと前から、もう30年以上もデータの統合と活用に100%注力してきた。Teradataのテクノロジーやナレッジはより重要性を増している」とウィマー氏は話す。

 ご存じのようにスマートフォンやソーシャルメディアの浸透は、日々膨大なデータを生み出しており、それらを収集・統合し、より深い洞察を導き出す、いわゆる「ビッグデータ」の活用が喧伝されている。にわかに多くのITベンダーがまるでゴールドラッシュのようにこの市場に殺到しているが、Teradataは1979年の創業以来、ライバルの追従を許さない「超並列処理リレーショナルデータベース」で大規模データウェアハウス市場を牽引してきた。1号ユーザーであるWells FargoとAT&Tに超並列RDBが納入されて以来、金融、通信、流通を中心に名だたる企業が、同社の顧客リストに名を連ねている。彼らは、「ビッグデータ」という言葉が生まれるずっと前からテラバイト級、そして今やペタバイト級の膨大なデータを活用し、ビジネスに新たな価値をもたらしてきた。

 ERPの雄であるSAPがそうであるように、業界を代表する企業がこぞって採用したことによってTeradataの製品開発は加速され、また同社にはデータ活用のナレッジも蓄積されてきている。ある意味、超並列のリレーショナルデータベース自体よりも重要といえる「業界別の論理データモデル」にも磨きがかかり、導入を支援するコンサルティング部門もワールドワイドでは5000人を擁する。

 日本テラデータの吉川幸彦社長も「ビッグデータは明らかに追い風。“わが社のビッグデータ活用はどうなってる?”と経営トップが関心を寄せてくれるからだ。ビジネスのグローバル化もあり、データ活用による差別化が求められているし、意思決定のスピードもさらに高めなければならない。ばらばらに散在しているデータを効率的に統合してもらえるよう、Teradataの業界別論理データモデルを売り込んでいきたい」と話す。

 日本にはモノづくりに長けた製造業が多いが、やはり彼らもビッグデータに注意を払っているし、新しい波に対応しようとしているという。

 「日本の製造業は、より良いデータ分析が製品の品質や生産効率を高めることを理解しているが、最近は、顧客の振る舞いを深く理解し、製品開発に生かそうとビッグデータに取り組み始めている」と話すのは、米国で大手製造業のプロジェクトを支援した手腕を買われ、半年前に日本法人の副社長に就任したディーン・フレデンバーグ氏だ。

 「Teradataにとって日本は米国以外では最大の事業規模。市場の変化はチャレンジだが、データの価値を信じ、変化をむしろチャンスとして取り組む日本の企業を支援したい」とウィマー氏も話す。

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