IBM、Watsonの顧客サポート機能「Ask Watson」を発表

2年前に人気クイズ番組で優勝し、現在医療分野で採用されているIBMのWatsonが、今度はコールセンターに就職する。

» 2013年05月22日 12時08分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 米IBMは5月21日(現地時間)、スーパーコンピュータ「Watson」による企業向けの顧客サービスやマーケティング支援システム「IBM Watson Engagement Advisor」を発表した。

 Watsonは、同社が2011年に発表した「Cognitive Computing(認識するコンピューティング)」でのビッグデータ分析を得意とするコンピュータシステム。米国の人気クイズ番組「Jeopardy!」で人間のチャンピオンに勝って話題になった。

 Engagement Advisorは顧客企業およびその顧客のデータを迅速に分析することで、顧客サービスを支援する。例えば、銀行や生命保険会社は自社WebサイトやモバイルサービスにEngagement Advisorの「Ask Watson」機能を組み込める。顧客はこうしたWebサイトで自分の口座や保険プランの確認、新しいプランの相談などをWatsonとの口語(テキストあるいは音声チャット)でのやりとりで行うことができる。コールセンターでWatsonに直接顧客からの電話を受けさせることも可能という。

 watson Watson Engagement Advisorによる顧客相談窓口はスマートフォンでも利用できる
 watson 2 スマートフォンで「娘を大学に通わせるには幾ら掛かる?」という質問に応えるWatson

 現在、オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)などの銀行や、米調査会社のNielsenがβテストを行っている。

 2年前の発表当初は“主寝室くらいのサイズ”だったWatsonだが、現在は1台のPower 750搭載サーバのLinux上で稼働するようになり、サイズは“ピザボックス4つ分”まで小さくなった。Watson Engagement Advisorはクラウドサービスあるいはオンプレミスのシステムとして提供する見込み。

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