「米政府は中国のサーバをハッキングしてきた」──PRISMリークのスノーデン氏がさらなる告発

香港潜伏中とみられる政府の極秘プログラム「PRISM」の告発者エドワード・スノーデン氏が、NSAはPRISMの下、香港と中国を含む世界中のコンピュータをハッキングしていたと地元紙に語った。

» 2013年06月13日 09時32分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 米国家安全保障局(NSA)は2009年から、香港および中国本土のコンピュータをハッキングしていると、香港滞在中の“PRISM告発者”、エドワード・スノーデン氏が6月13日、香港の英字紙「南華早報(South China Morning Post)」の独占インタビューで語った。

 元米中央情報局(CIA)職員で、NSAの仕事を受託していたスノーデン氏は、NSAの極秘情報を英Guardianと米Washington Postにリークし、両紙は6日と7日にそれぞれ米国連邦政府による極秘情報収集プログラムについての記事を公開した。スノーデン氏は記事掲載後の9日、5月20日から滞在している香港で行った両紙とのインタビューで身元を明かし、告発の動機を「米連邦政府が世界中の人々のプライバシーやインターネットの自由を破壊するのは許せなかったから」と語った。同氏の勤務先である米Booz Allen Hamiltonは11日、同氏を解雇したと発表した。

 スノーデン氏が南華早報に語ったところによると、NSAは6万1000回以上のハッキングを中国を含む世界中で実施してきたという。香港では、香港中文大学の学生や政府官僚もターゲットになっているとし、「米政府は(中国のような)敵対者と異なり、一般市民はターゲットにしていないと主張する政府の偽善を暴くため」こうした情報を開示したと語った。

 同氏は、香港を潜伏先に選んだことが間違えだと指摘する人が多いが、自分は法的制裁を避けるために米国から脱出したのではなく、(連邦政府の)違法性について、香港の裁判所で米連邦政府を相手に戦うために香港を選んだと説明した。

 香港は米国と強制送還の司法協定を結んでいる。

 香港では既にスノーデン氏を守ろうという運動が始まっている。例えばSUPPORT EDWARD SNOWDEN HKというWebサイトによると、15日土曜日に人権保護団体の代表者などによる講演と香港でのデモ行進が予定されている。

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