One Microsoft──ポストPC時代に対応する大規模組織改編を発表

Microsoftが、従来の製品別組織を機能別組織に再編する大規模な組織改造を発表した。エンジニアリングはOS、アプリ、クラウド、端末の4つの部門になる。

» 2013年07月12日 07時56分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 米Microsoftは7月11日(現地時間)、端末(デバイス)とサービスにフォーカスした大規模な組織改編を実施すると発表した。より迅速で効果的なイノベーションを実現するのが目的という。

 これまでWindows、Windows Phone、Microsoft Office、サーバ&ツールというように製品別になっていた組織を“機能ごと”に再編する。つまり、OS、アプリ、クラウド、端末の4つのエンジニアリング部門と、マーケティング部門、事業開発部門などに分ける。

 スティーブ・バルマーCEOは従業員に宛てた公開書簡で、「部門ごとの戦略ではなく、1つのMicrosoftとしての統一戦略の下に結束する」と語った。

 具体的な新組織とその統括者は以下の通り。

Operating Systems Engineering Group

 WindowsとWindows Phone、バックエンドを含むすべてのOSの担当部門。クラウドサービスもこの部門が担当する。リーダーは、現Windows Phone担当社長のテリー・マイヤーソン氏。

Devices and Studios Engineering Group

 Windows SurfaceやXboxなどのハードウェア開発と、サプライチェーン、エンターテインメント(ゲーム、音楽、動画など)を担当。現Windows担当副社長のジュリー・ラーソン─グリーン氏が統括する。

Applications and Services Engineering Group

 Microsoft Office、Outlook.com、Bingなどのアプリケーションおよびサービスを担当する部門。現オンラインサービス部門社長のチー・リュー氏が統括する。

Cloud and Enterprise Engineering Group

 データセンター、データベース、企業向けIT、開発ツールなどのバックエンド技術を担当。現サーバ&ツールビジネス担当社長のサトヤ・ナデラ氏が統括する。

Dynamics

 Dynamicsのみ独立部門として扱う。現ビジネスソリューション事業部社長のキリル・タタリノフ氏が統括。

Advanced Strategy and Research Group

 研究開発と技術政策を担当。現CTO(最高技術戦略責任者)のエリック・ラダー氏が統括する。

Marketing Group

 マーケティングおよび広告部門。リーダーはWindows担当CMO(最高マーケティング責任者)兼CFO(最高財務責任者)であるタミ・レラー氏と、2012年7月に企業戦略担当として入社したマーク・ペン氏。ペン氏はマーケティング戦略と広告を統括する。

COO

 COO(最高執行責任者)のケビン・ターナー氏が引き続き、セールス、マーケティングおよびサービス事業の戦略ならびに運営を統括する。

Business Development and Evangelism Group

 OEM、プロセッサベンダー、開発者、Yahoo!、Nokiaなどのパートナーとの窓口。エバンジェリストもこの部門に入る。リーダーは現Skype担当社長のトニー・ベイツ氏。

 財務、法務、人事部門は従来通り。

 この組織改編で、Microsoft Office担当社長のカート・デルベーン氏が退社し、主要事業戦略を担当してきたCEOシニアアドバイザーのクレイグ・マンディ氏は2014年にコンサルタントとなり、同年末に退社する。また、同社研究部門Microsoft Researchのリック・ラシッド上級副社長は同職を退き、OSグループでOS開発に従事する。

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