ハイエンドUTMでも標的型攻撃対策は可能――フォーティネットが大企業向けに展開へ

フォーティネットが大企業顧客獲得に向けた戦略を説明。次世代ファイアウォールや標的型攻撃対策の機能をバンドルしたライセンスを提供する。

» 2013年09月11日 20時27分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 フォーティネットジャパンは9月11日、大企業顧客の獲得に向けた戦略説明会を開催した。UTM(統合脅威管理)アプライアンスの高い性能と、次世代ファイアウォールや標的型攻撃対策の機能をバンドルしたライセンスの利用メリットを訴求する方針だという。

 説明に立った久保田則夫社長によると、同社のUTMは米IDCの2013年第1四半期の調査でシェアトップとなるなど、事業としては好調に推移している。ただし、「さまざまセキュリティ機能を集約したUTMアプライアンスは専任者のいない中小企業向け製品というイメージが強く、大企業には浸透していない」(同氏)という課題がある。

 同社ではネットワークプロセッサなどのASICを自社で開発している。久保田氏は、複数のセキュリティ機能を有効にしても、スループットにあまり影響を及ぼさないハードウェア性能に強みがあると説明。製品ラインアップではデータセンター向けモデルも有することから、「UTM=中小企業向け」というイメージを払しょくしたいという。

戦略のイメージ

 プロダクトマネージメント部の伊藤憲治部長は、具体的に同社の上位モデル「FortiGate-3600C」と、次世代ファイアウォール機能や標的型攻撃対策機能のバンドルライセンスの組み合わせを大規模企業に訴求する方針を示した。

 次世代ファイアウォールおよび標的型攻撃対策の機能として、ファームウェアの最新版ではサンドボックス解析や不正プログラム対策、アプリケーション識別・制御、不審なURLブロックを提供している。同社内での検証だが、このライセンスによる機能をFortiGate-3600Cでさまざまなパターンによって実行させても、スループットへの影響が小さいことを確認しているとのこと。同ライセンスの参考価格は1835万2000円(ハードウェア込み)からで、7月29日に販売を開始している。

同社での検証結果

 伊藤氏によれば、この組み合わせは特に大企業の本社や主要拠点のネットワークにおける標的型攻撃対策に適している。企業規模を問わず、利用場所やセキュリティ要件に対して、アプライアンスと各種の対策機能を柔軟に組み合わせて利用できるのがUTMのメリットであり、その認知度を高めることで企業顧客の拡大につなげたいとしている。

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