【新連載】「いいね!」がなくてもいいのだ Facebookでチーム力を高めたコスメ・コム女子大生の突撃レポ! 貴社のソーシャルメディア活用術(1/2 ページ)

気になる商品の情報収集や友人とのやり取りなど、もはや日常生活で欠かせなくなったソーシャルメディア。最近はこうしたツールを企業内の業務で利用しようとする動きが活発化しています。この連載ではそうした企業のさまざまな取り組みを紹介します。

» 2013年09月18日 08時00分 公開
[細野皐月,ITmedia]

 「ITmedia エンタープライズ」の読者の皆さん、はじめまして。細野皐月と申します。

 私は現在、大学4年生でフランス語を専攻しています。趣味は、中学&高校と6年間演劇を続けていたこともあり、観劇はもちろんのこと、映画鑑賞やスポーツ観戦、食べ物屋さん巡りなどさまざまです。人とかかわることが好きなので、取材を通じていろいろな方とお会いして、多くのことを吸収できればと思います。

 ところで、皆さんは普段、ご家族やご友人とコミュニケーションをとる際に、どのようなツールを使っていますか。私自身は大学などでFacebookやTwitter、Lineといったソーシャルメディアを使う機会が増えています。コンシューマーの中ではすっかり浸透したソーシャルメディアですが、実は最近、社員同士のコミュニケーションを円滑にしたり、仕事の効率化を図ったりするためにこうしたソーシャルメディアを活用する企業が出てきていると聞いています。

 この連載では、実際にソーシャルメディアを社内業務に取り入れている企業を訪問し、具体的にどのような成果が出ているのかを取材していきます。

ちょっとした気付きを投稿

 今回訪れたのは、コスメ・美容の総合サイト「@cosme」を運営するアイスタイルのグループ会社で、化粧品などのECサイト「cosme.com」を展開するコスメ・コムです。

コスメ・コム 商品企画グループ マネジャーの田島有希子さん コスメ・コム 商品企画グループ マネジャーの田島有希子さん

 同社は2008年2月に設立。12人ほどの小規模な組織でありながら、現在は月間で1万件も商品を売り上げ、サイトのページビューは480万PV、メールマガジンベースの会員は33万人に上ります。そんな同社では、どのようなソーシャルメディア活用がなされているのでしょうか。商品企画グループの田島有希子マネジャーと、尾崎舞子さんにお話を伺いました。

 コスメ・コムが業務でソーシャルメディアを使い始めたのは約2年前のこと。元々、マーケティング施策としてcosme.comのFacebookページを運用していたのがきっかけとなり、社内のコミュニケーションツールとしても活用しようという話になったそうです。専用のFacebookグループを作り、同社の社員、アルバイトの全員が参加してさまざまな情報をアップしています。

 投稿内容は、会議の議事録のような堅苦しいものだけでなく、他社のWebサイトで目を引くものがあればURLを添付してシェアしたり、街中で優れた広告やキャッチフレーズを発見すれば積極的に書き込んだりするようにしています。また、参加したセミナーや講演会の内容を共有することで、実際に行っていないほかのメンバーでも講演内容を把握できるなど、その利用方法は単なる連絡伝達のためのツールの域を超えています。

 どのような狙いがあるのでしょうか。「ECの世界はユーザーの興味の移り変わりが激しいので、常に最新の情報をリアルタイムでキャッチすることはとても重要なのです。そのためには、週に1回の会議の場でまとめて情報交換するのではなく、日ごろから気になった情報や些細な気付きをこまめにシェアしていくことが大切なのです」と田島さんは説明します。

 実際にこうした取り組みを始めたことで、新たな施策を迅速に打ち出せるようになるなど、ビジネスに良い効果をもたらしたほか、メンバーの投稿を通じて、仕事に対する考え方や姿勢、独自の視点などを知ることができ、より強い一体感が生まれました。

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