Drop Dropbox──ライス元国務長官のDropbox取締役就任で反対運動勃発

令状なしで市民を盗聴したブッシュ政権で国務長官を務めたコンドリーザ・ライス氏を取締役に指名したDropboxに対し、同氏の解任を求める運動が始まった。

» 2014年04月11日 08時18分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 米Dropboxが4月8日(現地時間)に元米国務長官のコンドリーザ・ライス氏を取締役に指名したことに対する反対運動「Drop Dropbox」が始まった。

 Dropboxは同日、「Dropboxの第2章」として新製品アプリの新機能などとともに、ライス氏の取締役就任を発表した。

 ライス氏はジョージ・ブッシュ政権で大統領補佐官や国務長官を務め、イラク戦争のきっかけとなった「ブッシュ・ドクトリン」考案者の1人としても知られる。また、ブッシュ政権が同時多発テロ後、令状なしで市民や外国人を盗聴したことを擁護した

 Drop Dropboxは「企業がユーザーのほぼすべてのデータにアクセスできるようになれば、倫理は楽しい思考実験の問題ではなくなる。ライス氏を取締役に指名したことは、Dropboxの自由と倫理に取り組む姿勢に対する深刻な懸念を呼んだ」と主張し、懸念を裏付けるようなライス氏に関連する情報をリンク付きで幾つか挙げている。

 drop

 この運動では、ユーザーに対し、TwitterやFacebookで「コンドリーザ・ライス氏をDropboxの取締役から解任しなければ、私/我が社はDropboxの使用をやめて(drop Dropbox)代替サービスに乗り換えます」と投稿するよう呼び掛けている。

 運動の主催者の身元は不明だ。既にTwitterやFacebook上で「#Dropdropbox」の投稿をみられるが、本稿執筆現在、少なくともTwitterの米国のトレンドにはまだ表示されていない。だが、ネット上の運動が組織の人事に影響を与えた例として、最近ではMozillaの新CEO辞職があった。Mozillaの場合は、新CEOの過去の同性婚反対行為を問題視するネット上での批判の高まりを受け、ブレンダン・アイク氏がCEO就任後10日で辞職した。

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