Symbian OS用アプリケーションのデジタル署名に使われていた暗号鍵を何者かが入手してNokiaを脅迫し、多額の現金を脅し取ったという。
フィンランドのテレビ局MTV Newsは6月17日、Nokiaが2007年にSymbian OSのアプリケーション署名に使っていた暗号鍵を盗まれ、多額の現金を脅し取られていたことが分かったと報じた。事件はまだ未解決だという。
MTVによると、2007年末頃に何者かがSymbian OS用アプリケーションのデジタル署名に使われていた暗号鍵を入手し、Nokiaを脅迫した。
もし暗号鍵が流出すれば、Nokiaが公認していないアプリケーションもSymbian OSに導入できる状態になり、安全性を保証できなくなる恐れがあった。当時は世界に流通していたスマートフォンの半分がNokia製だったとMTVは伝えている。
Nokiaはフィンランドの国家捜査局に通報し、犯人との交渉に応じて同国のタンペレ市内でかばんの中に現金を入れて指定された場所に置いた。かばんは犯人の手に渡り、警察は犯人を見失って現金を盗まれたという。
Nokiaが要求額を支払った時点で、相手は暗号鍵を悪用しないと約束したとされる。しかし、鍵がどのような経緯で流出したのかは分かっていない。国家捜査局は悪質な恐喝事件として捜査を続けているという。
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