「真のデータベース保護」を 日本オラクル、Oracle DB専用のバックアップ装置データ破損対策も(1/2 ページ)

「なぜ、従来型はリスクがあるのか」──。日本オラクルが、Oracle Databaseの保護に特化した初のエンジニアドシステム製品「Zero Data Loss Recovery Appliance」を発表。従来型バックアップ・リストアシステムの課題を解消した、データベース保護のための真のリカバリシステムとして、国内でも提供をはじめた。

» 2014年10月22日 08時00分 公開
[岩城俊介,ITmedia]
photo Oracle Databaseの保護に特化した、初のエンジニアド・システム「Zero Data Loss Recovery Appliance」

 日本オラクルは10月21日、データベース製品「Oracle Database」の保護に特化した初のエンジニアドシステム製品「Zero Data Loss Recovery Appliance(以下、Recovery Appliance)」の国内提供を開始した。

 「従来のバックアップ装置では、データベースの保護に適していなかった。単にファイルをコピーするだけではいくつかのリスクが残る。重要なデータベースデータを保護すべく、従来とは根本的に異なるデータベースのためのアプローチが必要と考えた。Zero Data Loss Recovery Applianceは、多くのOracle Databaseユーザー・管理者のため、これらの課題をほぼすべて解決する」(米Oracle データベースサーバ技術担当 エグゼクティブバイスプレジデントのアンドリュー・メンデルソン氏)


photo 米Oracle データベースサーバ技術担当 エグゼクティブバイスプレジデントのアンドリュー・メンデルソン氏

 ポイントは、

  • ゼロ・データロス
  • バックアップの影響を最小化
  • データベースレベルでの確実な復旧
  • 高い拡張性

 の4点。対象をファイル単位で扱う従来型のデータ保護/バックアップソリューションに対し、データの整合性やパフォーマンス、可用性といった個別の要件があるデータベースの保護に特化した。これにより、顧客のデータベース管理に対するニーズと課題を広くカバーする。

 システムの停止により、既存のバックアップ・リストアシステムでは最後のバックアップ以降に生成されたデータはすべて失われる。これは数時間から、長ければ数日分の重要なデータが犠牲になることを示す。この課題に対し、Recovery Applianceは独自のデータベース統合によって、「Oracle Data Guard」と同様のREDOデータ(変更履歴を記録した小サイズの差分データ)を継続的に送信し、最新のトランザクションをリアルタイムで残す仕組みを取り入れた。これにより、万一のシステム停止時もデータを失うことなくリストアできる。「これまでの日単位ではなく、落ちる寸前までトランザクションを守れる。損失を極力少なくできる」(日本オラクル専務執行役員データベース事業統括の三澤智光氏)

 もう1つ、従来型のバックアップシステムに潜むデータ破損のリスクに対処できる点も強み。ハードウェアに発生した何らかの障害によって、管理者の把握なしにすでにデータが破損していたら、どうなるか。フルバックアップをとる従来型では、破損したデータもそのままバックアップしてしまう。万一時にリカバリできない事態に陥る。データベースシステムの保護を基礎に設計したRecovery Applianceはこの対策に、差分データの取得時からデータの破損をチェックし、検知する機能を備え、さらに差分バックアップ後も定期的にチェックするようにした。これにより「二重のゼロ・データロス体制」を整えられる。「壊れたデータは検知して送らない。今までのバックアップの考え方ではできなかったことだ。データベース管理者は、このメリットを強く感じていただけるはず」(日本オラクルの三澤氏)

photo 従来型システムの課題
photo 「Zero Data Loss Recovery Appliance」でこの課題を解決できる
photo データ破損対策も含め、二重のゼロ・データロス体制を整えられる
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