オラクルの「エンジニアドシステム」が目指すコンピューティングWeekly Memo(1/2 ページ)

オラクルが高速データベースマシンの新製品発表を機に、「エンジニアドシステム」が目指すコンピューティングについて明らかにした。キーワードは仏教用語の“無分別智”だ。

» 2015年02月02日 17時00分 公開
[松岡功,ITmedia]

なぜ「スーパークラウドシステム」なのか

photo 会見に臨む日本オラクルの杉原博茂 取締役代表執行役社長兼CEO

 「これからは“スーパークラウドシステムズ”と呼んでいただきたい」

 日本オラクルの杉原博茂社長は2015年1月29日、同社が開いた高速データベースマシンの新製品「Oracle Exadata Database Machine X5」(以下、Oracle Exadata X5)の発表会見でこう語った。

 Oracle Exadata X5は、オラクルがこれまで6年にわたって推進してきたハードウェア+ソフトウェア一体型の「エンジニアドシステム」と呼ぶカテゴリの中で、Oracleデータベースの性能を最も生かせるよう最適化した主力モデルの最新版だ。同社はすでにさまざまな用途に向けたエンジニアドシステムをラインアップしているが、今回の発表を機に、それらをクラウド時代のシステム基盤を支える「スーパークラウドシステムズ」と位置付けたというのが、杉原氏の冒頭の発言の意図である。

 Oracle Exadata X5は従来モデル(Exadata X4)と同価格帯ながら、従来モデル比で50%高速なプロセッサ、50%増やした最大メモリ搭載量、より高速なオールフラッシュのストレージサーバの採用などにより、全体のコストパフォーマンスを大幅に向上。さらに柔軟な拡張性や仮想化のサポート、データベースインメモリにも最適な仕組みを取り入れた。こうした最新技術が今後、他のエンジニアドシステムにも適用され、スーパクラウドシステムズへと進化していく流れである。

 では、何が「スーパー」なのか。杉原氏は「今後、IoT(Internet of Things)やビッグデータ、モバイル、ソーシャルなどの利用がどんどん広がる中で、さまざまな形態のクラウドが生まれ、それらが幅広くやりとりするようになる。そうしたデジタル社会に耐えうるミッションクリティカルなシステム基盤(交通機関や金融機関の基幹システムなど、中断すると社会的影響まで及ぼす、止めてはならないシステム)を、製品としてもサービスとしても提供できるのは、オラクルだけだと自負している」と強調した。つまり、「オラクルならではのミッションクリティカルなシステム基盤」を「スーパー」と称しているようだ。

 下図に示したのが、杉原氏が語った「オラクルが描くクラウド」である。オラクルの主要な製品、サービスがプロットされていて興味深い図である。同氏によると「できたての図」だそうだ。

photo 杉原氏が語った「オラクルが描くクラウド」の図
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