「OracleによるSun買収後もJavaは生き残る」――ゴスリング氏「Javaの父」に聞くSunの未来(1/2 ページ)

両社の社風は異なるが、「ソフトウェア企業の一員になるのを楽しみにしている」とSun Microsystemsの副社長兼フェローにして「Javaの父」、ジェームス・ゴスリング氏が語った。

» 2009年06月22日 15時37分 公開
[Darryl K. Taft,eWEEK]
eWEEK

OracleがSun Microsystemsの買収手続きを進める中、Java開発者のジェームズ・ゴスリング氏は米eWEEKの取材に応じ、SunのJavaおよび自身の将来について語った。今回で最後になるかもしれない「JavaOne」カンファレンスにおけるゴスリング氏の唯一の公式インタビューは、示唆に富むと同時に感傷的なものであった。

―― Sunが新たな時代を迎えようとしている今、Javaの将来はどうなると思いますか。

ゴスリング まったく予想がつきません。買収が完了すれば、Javaの命運はOracleとエリソン氏(OracleのCEO)および同社幹部にかかっています。あなたが知っていること以上のことは、わたしにも分かりません。

―― Oracleがあなたに何か期待しているような兆候はありますか。

ゴスリング ありません。

―― Javaはこれまで通り生き延びるのでしょうか。それとも何か変化が起きるでしょうか。

ゴスリング データがないので何とも言えません。ラリー(エリソン氏)は公式声明で、Javaをサポートする姿勢を明確に打ち出しています。しかし買収が完了するまで、両社の間でほとんど話し合いがありません。おかしなことですが、以前よりも両社の話し合いが少なくなっています。今はこういった一種の沈黙の時期にあります。彼らが今後の計画を練るために、われわれがデータを提供することはできますが、これはかなり一方通行的な形です。両社は現在、独立して事業を運営する2つの企業です。いずれそれが変わる転換期が来るでしょうが……。

―― 身売り先としてはIBMとOracleのどちらを望んでいましたか。

ゴスリング 両社のどちらかを選ぶとすれば、間違いなくOracleを選ぶでしょう。わたしはIBMで働いた経験があります。

―― Sunの技術者の間の雰囲気はいかがですか。ほっとしているとか、興奮しているといった様子はありますか。

ゴスリング そういったことすべてが織り交ざったような雰囲気です。人によって感じ方はさまざまです。この2〜3年はかなり騒然としていました。去年の3月までは順調な回復軌道にあると感じていたのですが、いきなりすべての銀行が沈黙したのです。それで皆、慌てふためいたのです。

―― 状況が目に浮かぶようです。Oracleは企業市場では定評がありますが、Sunとは社風が異なるように思えます。そういった問題は解消されると思いますか。

ゴスリング 何とも言えません。両社の社風は異なります。彼らは見ての通りの企業です。両社が違いを出せるチャンスがあればいいと思っていますが、どうなるか分かりません。

―― あなたは今後に期待を抱いているようですね。

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