情報活用で先手を打つセキュリティ対策を――マカフィーが事業戦略表明

標的型サイバー攻撃など脅威の高度化を背景に、情報活用を通じた統合的なセキュリティ対策の実施を訴求していくという。

» 2015年02月09日 06時00分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 マカフィーは2月6日、2015年の事業戦略説明会を開催した。セキュリティの脅威が高度化する状況に向けて、情報活用と各種対策を相互に連携させる仕組みの普及を図るとしている。

ジャン・クロード・ブロイド社長

 まず2014年の事業動向についてジャン・クロード・ブロイド社長は、Intel Securityグループとしての世界の売上が前年比10%増の23億ドルに達したと報告。この成長率は業界平均の2.5倍だとし、これまで同社が掲げてきた「Security Connected」戦略が浸透しつつあると説明した。Security Connected戦略は、同社およびパートナーのセキュリティソリューションを相互に連携させることで、セキュリティ対策全体としてのレベルを高めるアプローチだという。

 国内のビジネスは、法人向け事業とコンシューマ向け事業の売上が半分ずつという状況で、それぞれ2桁成長を達成したとした。法人向け事業では企業を中心とした「セキュリティ運用監視センター(SOC)」の構築支援や、社会インフラを始めとする公共および大手企業向けのセキュリティコンサルティングの案件が大幅に増加した。システムインテグレーターやITベンダー他社との協業体制も拡大した。

 ブロイド氏は、「巧妙化するサイバー攻撃などの問題に従来のポイント型の対策では不十分となりつつある。様々なログ情報の収集と分析から脅威を可視化し、各種の対策を連携させることで、率先して問題に対処するソリューションが注目されている」と話す。

 コンシューマ向け事業ではインターネットサービス事業者経由でのセキュリティ対策の提供や、PCおよびスマートフォン、タブレット端末へのプリインストールによる出荷、アプリストア経由でのダウンロード販売が好調に推移したとしている。

 2015年の事業は引き続きSecurity Connected戦略を推進し、情報活用を通じた脅威対策や高度なマルウェアの防御ソリューション、データ保護ソリューションなどを、オンラインサービスからデバイスまで広範に提供していく。特に「SIEM」(セキュリティインシデント・イベント管理)と呼ばれるソリューションではネットワークやエンドポイントに侵入してくる脅威の解析を通じて、各所のセキュリティ対策ポイントで迅速に防御できる仕組みの普及を図る。ブロイド氏は、「日本の情報セキュリティ製品市場は年率4%成長が見込まれるが、当社では5%台と見ており、2015年も2桁成長を目指す」とした。

Security Connectedに基づくソリューションの1つとなるSIEM

 また、2015年以降を見据えた施策では親会社の米Intelと一体で「IoT」(モノのインターネット)分野に向けたセキュリティ技術の開発と普及を推進していく。ブロイド氏は、「2017年までに『Global 2000』社のうちの80%以上へのソリューション提供、そして、モバイルを中心とした10億台のデバイスへのセキュリティの提供を実現させたい」と述べた。

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