農業×IT、“経験や勘”から形式知へ 富士通とPLANT DATA JAPANが協業

富士通の持つIT技術とソリューションに、PDJが持つ植物の生体情報計測技術や解析技術を組み合わせて、環境の制御と栽培管理を統合的に制御できる環境作りを目指す。

» 2015年05月08日 21時31分 公開
[ITmedia]
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 高品質な野菜の栽培、“経験や勘”から形式知へ――。富士通とPLANT DATA JAPAN(PDJ)が、ITを活用した農業の取り組みで協業することを明らかにした。光合成の活性情報や葉の大きさ、枚数などといった、さまざまな植物の生体情報に応じて最適な栽培管理が行えるよう支援するIT環境を提供する。

 富士通は2012年から、温室内の温度や湿度といった各種データをクラウド上に蓄積し、温室内の暖房機や換気扇などの機器をコントロールする仕組みを“施設園芸SaaS”として提供している。愛媛大学のベンチャー企業であるPDJは、同大学の高山弘太郎准教授が開発した植物計測手法を活用した栽培技術の確立を目指し、2014年から植物の生体情報を用いた計測・解析技術やコンサルティングサービスを提供している。

 施設園芸の分野では植物の生体情報の活用が重要であることから、富士通の持つIT技術とソリューションに、PDJが持つ植物の生体情報計測技術や解析技術を組み合わせて、環境の制御と栽培管理を統合的に制御できる環境作りを目指す。

 両社は協業により、栽培中の農作物の生体情報と施設内外の環境情報を計測して可視化するほか、“ある特定の時間帯の気温設定が適正な生育を阻む要因であることを分析し、自動で改善提案する”といったような環境制御が可能なシステムを提供するとしている。

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