Samsung製のPCにインストールされている「Disable_Windowsupdate.exe」というプログラムのために、Windows Updateが無効になる現象が発生していることが分かった。
Samsung製のPCに、Windowsを最新状態に保つための「Windows Update」を無効化するプログラムがインストールされていることが分かったと、研究者が自身のブログで指摘した。Windows UpdateはWindows OSの脆弱性などを修正する更新プログラムの配信に使われており、これがブロックされればシステムが危険にさらされる恐れもある。
この問題は、Microsoft MVPでもある研究者のパトリック・バーカー氏が6月23日のブログで伝えた。それによると、あるユーザーからマシンを再起動するたびにWindows Update(WU)が無効になる現象が起きるという相談を受け、調べたところ、「Disable_Windowsupdate.exe」というプログラムがこの現象を発生させていることが分かった。
問題のプログラムは、SamsungのPCにインストールされている更新用ソフトウェア「SW Update」に含まれていた。「SW UpdateはSamsungドライバなどを更新するためのOEM更新ソフトウェアで、Samsung製マシンにプリインストールされているブロートウェア(肥大化ソフト)の更新に使われている」とバーカー氏は解説する。
このプログラムのために、システムを再起動するたびWindows Updateの設定が強制的に変更され、Windowsの更新プログラムをインストールするかどうかを、ユーザーが選択する設定になってしまうことがあるという。
SW UpdateはWindows XPとVista/7/8/8.1に搭載されていて、Windowsのプログラムの削除と変更ツールを使っても適切にアンインストールすることができず、「Disable_Windowsupdate.exe」は残ってしまうという。
ベーカー氏は、これについてSamsungのサポートに問い合わせた際のやり取りも掲載した。サポート担当者は、「Windows Updateを有効にすると、動作するかしないか分からないデフォルトドライバを全てのハードウェアにインストールしてしまう。例えば、ラップトップ上にUSB 3.0があると、ポートがアップデートのインストールに対応できない可能性がある。それを防ぐためにSW UpdateツールでWindows Updateを防いでいる」と答えたとされる。
報道によれば、Samsungは「われわれがWindows 8.1の更新をブロックしているというのは事実ではない。ユーザーがWindowsソフトウェアの更新を望む場合はその選択ができるオプションを提供している」とコメントした。
一方、Microsoftは「Windows Updateはセキュリティのために重要なコンポーネントであり、無効化したり変更したりすれば危険を増大させる可能性がある。この問題に対応するためSamsungに連絡を取っている」と説明しているという。
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