ITシステムを「流用したい」「有効利用したい」と考える日本人。対して、欧米人はどう考えているのでしょう。彼らの考え方を説明します。
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ブレードサーバやスイッチポートなど、空いているのであれば埋めたくなるのは当然のこと。無駄を抑え、コスト面でも有用な考え方です。
当たり前すぎる話ですが、欧米ではその考え方は意外にもマイノリティらしい。前回の日本人の場合に続き、今度を欧米人の考え方について見ていきましょう。
まだ使えるのであれば、そこだけでも流用したくなる。
システムに対する日本人の一般的な考え方ですが、別な角度から見れば、日本人にとって、1つのシステムを構成するサーバ・ストレージ・収容エンクロージャ・スイッチといったインフラパーツをそれぞれ単体機器として意識していることの裏返しでもあります。
以前に“コース料理”と表現したこともありましたが、欧米人にとってこれらのインフラ機器それぞれを個々の機器とは捉えていません。同じシステム用に調達したものはそれぞれが“パーツ”であり、単体で使うなんてことはほとんど考えもしないそうです。これは組み上がった全体を1つのシステムに捉えているということであり、「コンバージド・インフラストラクチャ」が人気になっている理由でもあります。
ですので、既存のシステムに空きスロットや空きポートがあるからと言って、そこに別なシステムをつなげたりはしません。「設定や運用管理が煩雑になる」「ライフサイクルが崩れる」のが嫌なのですね。
システム更改も一緒です。使えそうだから新システムでも流用しようという考え方も好みません。「足を引っ張られたくない」などと言って、すべて新製品に総入れ替えします。
また、前回も話題に上げた転職の多さも理由にありそうです。前任者が設計したシステムなんて勘所が分かりません。これから5年管理していくシステムならば、自分が慣れているアーキテクチャーにしておいた方がラクですよね?
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