Salesforce.comが狙う「世界第4位」とその先Weekly Memo(1/2 ページ)

Salesforce.comが躍進を続けている。その強さの秘密はどこにあるのか。先週、同社の日本法人が開いたプライベートイベントを取材して探ってみた。

» 2015年12月07日 17時00分 公開
[松岡功ITmedia]

「顧客企業のビジネスの成功」を第一義とした姿勢

 「来年度は売上高80億ドルを目指し、世界第4位のソフトウェア企業になる」――米Salesforce.comのキース・ブロック社長兼副会長は12月3日、同社の日本法人であるセールスフォース・ドットコムが東京・両国国技館で開いたプライベートイベント「Salesforce World Tour Tokyo 2015」の基調講演でこう語った。

両国国技館で行われた「Salesforce World Tour Tokyo 2015」

 このイベントは、企業におけるクラウド、ソーシャル、モバイルなどの導入・活用支援に向けて、同社の最新ソリューションや事例を紹介するもので、世界の主要都市で実施しているという。

 イベントに先立ってSalesforce.comが発表した2016会計年度(2016年1月期)第3四半期(2015年8〜10月)決算によると、売上高は前年同期比24%増の17億1000万ドルと好調に推移。これを受けて同社は通期の見通しを66億4000万〜66億5000万ドルに上方修正した。

 さらに、同社のマーク・ベニオフCEOはこの決算発表の中で、「2017会計年度(2017年1月期)には売上高80億ドルを目指す。ソフトウェア企業として最も速く売上高100億ドルを達成するという目標に向けて順調に推移している」と述べた。冒頭のブロック氏の発言はこれを受けたものである。

 また、「世界第4位のソフトウェア企業になる」とは、同社が9月に米国サンフランシスコで開いた「Dreamforce 2015」の基調講演でベニオフ氏が“宣言”したものだ。ちなみに上位3社はMicrosoft、Oracle、SAPとみられ、4位というのは名実ともにソフトウェア企業のトップグループの一角に入ることを意味している。

セールスフォース・ドットコムの小出伸一会長兼CEO

 まさにここ数年、売上高を毎年10億ドルずつ積み上げてきているSalesforce.comの強さの秘密はどこにあるのか。

 ブロック氏は講演で、「当社が成長し続けられるのは、顧客やパートナー企業のビジネスの成功があってこそ。そのための投資を今後も引き続き積極的に行っていく」と力を込めて語った。

 また、イベントの冒頭で挨拶したセールスフォース・ドットコムの小出伸一会長兼CEOも、「何よりも顧客の声を大切にするのが当社のモットーだ。当社のサービスに改善すべき点があれば、どんどん指摘していただきたい。今後も顧客のビジネスに貢献できる企業であり続けたいと肝に銘じている」と、「顧客企業のビジネスの成功」を第一義とした同社の姿勢を強調した。

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