第14回 「延命措置」で旧システムからDocker環境に移行する方法古賀政純の「攻めのITのためのDocker塾」(2/5 ページ)

» 2016年01月20日 07時30分 公開

移行先では、ツールを2つ使う

 移行先には、移行元の内蔵ディスクイメージをKVM仮想化環境のイメージに変換するためのvirt-v2vが必要です。このvirt-v2vで生成されたKVM仮想化環境用のイメージファイル(qcow2形式)を、さらにvirt-tar-outを使ってtarアーカイブへ変換します。最終的にtarアーカイブをDocker環境にロードし、Dockerイメージとして登録します。

 今回これらのvirt-v2vやvirt-tar-outを使用する移行先のマシンでは、CentOS 7.2が稼働しているとします。移行先がCentOS 7.2の場合は、事前にvirt-v2vをyumコマンドでインストールし、libvirtdデーモンを起動しておきます。


# yum install -y virt-v2v
# systemctl start libvirtd

古いサーバをP2V

 まず、移行元の古い物理サーバをvirt-p2vのISOイメージを使ってCDブートします。このvirt-p2vは、物理サーバの内蔵ディスクの内容を仮想マシン用のゲストOSイメージに変換するソフトウェアです。virt-p2vのISOイメージは、以下のURLから入手できます。

 今回入手したISOイメージは「virt-p2v-livecd-1.28.1-1.49.1.el7.iso」です。このISOイメージをCD-Rなどに焼き付けて、移行元サーバをCDブートします。今回の移行元のサーバには、マザーボード上に遠隔管理チップのHP iLO2(integrated Lights-Out 2)が搭載されており、遠隔管理チップが提供する仮想DVD-ROMドライブ機能により、ISOイメージを手元のWebブラウザを使ってCDブートさせることができます。今回は、HP iLO2の仮想DVD-ROMドライブ機能を使う方法でCDブートします。CDブートすると、virt-p2vの画面が表示されます。

_古いサーバ上でP2VツールをCDブートした様子

 ここで移行元が古いサーバの場合、RAIDコントローラの対応状況に注意する必要があります。今回のvirt-p2vのISOイメージは、古いサーバに搭載されているRAIDコントローラの種類によって、ブート時にオプションを付与する必要があります。このオプションは、RAIDコントローラのメーカーや種類によって異なるため、古いサーバのRAIDコントローラとvirt-p2vの対応状況をあらかじめテスト環境を用いて調査しておく必要があります。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ