ランサムウェアで病院システムがダウン、患者受け入れや検査に支障

報道によれば、ロサンゼルス市内の病院がランサムウェアに感染して多額の身代金を要求され、救急患者を別の病院に転院させる事態になっているという。

» 2016年02月18日 07時56分 公開
[鈴木聖子ITmedia]

 米ロサンゼルス市内の病院が、被害者を脅して身代金を要求するランサムウェアに感染してシステムがダウンし、救急患者を別の病院に転院させる事態になっているという。米メディア各社が伝えた。

 被害に遭ったのはロサンゼルスの病院「Hollywood Presbyterian Medical Center」。地元放送局のNBC 4 Los Angelesによると、同病院は2月5日ごろから「重大なIT問題」に見舞われて院内で非常事態を宣言。1週間たった12日になってもコンピュータシステムは復旧できず、ロサンゼルス市警と米連邦捜査局(FBI)が捜査に乗り出した。

 同局は病院の職員数人の話として、コンピュータシステムが何者かにハッキングされて多額の身代金をビットコインで支払うよう要求されていると報道。救急患者は別の病院に搬送され、診療記録などは全て紙を使って手書きで処理しているという。

 Ars Technicaなどの報道によれば、17日現在も同病院のシステムはまだ復旧できていない様子。FBIも、同病院がサイバー攻撃に見舞われていることを確認したという。病院側は「患者の診療に影響は出ていない」と強調している。しかし、別の病院で検査を受けなければならなかったという患者の証言や、電子メールが使えないためFAXが混雑状態になっているという職員の証言も伝えられている。

日本語で脅迫するランサムウェアもある(トレンドマイクロより)
個人ユーザーの対策ではこまめなバックアップが推奨される(IPAより)

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