勉強嫌い、元ゲーマーの「なりゆき情シス」が「スーパー情シス」になるまで情シス“ニュータイプ“の時代(2/2 ページ)

» 2016年02月29日 08時00分 公開
[やつづかえりITmedia]
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役に立つ情報は社外のコミュニティーで仕入れる

 前編では、齊藤さんが現場の業務効率を上げるためにさまざまなツールを導入してきたことを紹介した。使えるツールや活用方法について、どうやって情報収集しているのかを聞くと、「社外の横のつながりが役に立つ」と教えてくれた。

 「JAWS-UG(AWSの活用を推進するために活動しているユーザーグループ)やBoxなどのユーザー会によく行きますね。参加者に情シスが多いので、『こういうSaaSを使っている』みたいな話がよく出るんです。実際に使っている人たちの意見は、とても参考になります」(齊藤さん)

 ポイントは、セミナーではなくユーザー会に行き、ユーザー同士でコミュニケーションを取ること。そういう場に入っていくには、「自分も何か貢献できることがないといけないのでは」――と、身構えがちだが、齊藤さんは「気にする必要はない」という。

 「どんどん入っていけばいいと思う。みんな困っている人には教えてあげようという雰囲気だから、ギブ・アンド・テイクなんて考えなくていい」(齊藤さん)

 むしろ、「こんなことをやりたい」「こんなことで困っている」と、自分のやりたいことを発信することの方が大事だ、というのが齊藤さんの考えだ。

とにかく現場を効率化して賛同を得る。それが情シスの生きる道

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 世間では、不要論が取りざたされるなど、情シスを取り巻く環境は年々厳しくなっている。齊藤さんに「これからの情シスが生きる道は?」と聞いてみると、こんな返事が返ってきた。

 「自分の会社を変えたいとか、もっと良くしたいと思っている人に対しては、『そんな面倒な会社辞めたらいい』というのが本音です(笑)。ユーザー会に行くと、先進的なことをやっている人たちがたくさんいて驚かされるんですよ。そういった“既に変わっている会社”に行ったほうが早いんじゃないかなと……。

 でも、今の会社で情シスをやっていくなら、とにかく社内を効率化しまくって、現場の賛同を得ることだと思います。情シスに求められるのは業務の効率化なので、まずは一部の現場でもいいから効率化できる仕組みやサービスを入れて、信頼を勝ち取る。それを繰り返していけば、現場も『また何か面白いものを持ってきてくれたな』と受け入れモードになって、面白いことができるようになるんじゃないでしょうか」

 「信頼され、期待され、愛される情シスになる」「そのための情報源を社外に持つ」「得た情報や知見は自ら惜しみなく発信する」――。シンジ流の仕事術は、情シスの皆さんにさまざまなヒントと勇気を与えるのではないだろうか。

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