国内の多くの企業は、2014年4月のWindows XPの延長サポート終了に伴う騒動の中でWindows 7へのアップデートを行っている。その理由は、2014年4月時点で最新だったWindows 8/8.1があまりにもタッチデバイスへの対応を優先に開発されたため、PCユーザーにとっては使いにくいユーザーインタフェースだったからだ。
しかし、Windows 7も2015年1月13日にメインストリームサポートが終了した。現在の延長サポート(セキュリティ更新のみの提供)が2020年1月14日に終了する。IT管理者は「まだ4年以上ある」と思うかもしれないが、Windows XPのドタバタ騒ぎをみれば、「もう4年しかない」と考えるべきだろう。
実は、Windows 7からWindows 10への移行はそれほど難しくない。アプリケーションに関しても、筆者がこれまで何度かアップデートを行ってきた感覚では多くのアプリケーションが動作し、それほど不安に思うことはない。
むしろ、Windows 10へのアップグレードを阻む要因としては、古いPC端末においてWindows 10向けのドライバがリリースされているかという点だろう。実際、古い指紋認証デバイスやICカード認証デバイスなどでWindows 10対応のドライバがリリースされていなかったため、インストールできなかったり、インストールしてもWindows 10を起動した途端にロールバックがかかって、Windows 7に戻ってしまったりということがあった。
IntelやAMDなどのプロセッサベンダーは、ある程度古いプロセッサに対してもWindows 10用のドライバがリリースしているため、それほど問題にはならない。しかし、指紋認証デバイスや古いUSBチップ、特殊な周辺デバイスなどは、個々のメーカーのポリシーによってWindows 10向けのドライバがリリースされるかが決まる。多くの周辺機器やチップベンダーの状況を見ると、利益にならない古いチップや周辺機器のWindows 10向けドライバの提供に関しては後ろ向きだ。
こうしたことから、2014年にWindows XPからWindows 7への移行した際に新しいPCを購入した企業は、リースが終了する5年には新しいPCに買い換え、同時にWindows 10へ移行した方がいいだろう。数百台規模の買い換えになるなら、2017年頃から百台規模で入れ替えつつ、2020年までにはWindows 10への置き換えを完了するべきだと思う。
なお、IntelのSkylake(コードネーム)プロセッサを搭載するPCでは、Windows 7/8.1のサポートが2017年7月17日まで短縮されているので、注意が必要だ。2015年から2016年にかけて新しくSkylakeベースのWindows 7のPCを購入しているなら、2017年7月17日までにWindows 10へアップグレードしないといけない。
今後リリースされる新しいCPU(Intel、AMDとも)は、Windows 10の使用が前提になるので、Windows 7などには対応しない。仮に動作しても、ハードウェア、ソフトウェアともサポートはない。
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