Windows 10への移行は「イマでしょ!」と言える理由Enterprise IT Kaleidoscope(3/3 ページ)

» 2016年03月02日 07時00分 公開
[山本雅史ITmedia]
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Windows 10への移行を拒んでも仕方ない

 IT管理者はこの機会に自社のシステムの洗い出しをすべきだろう。例えば、以前に導入した指紋認証デバイスなどがきちんと活用されているのかを確認し、Windows 10でもセキュリティ面を担保する代替え手段があるかどうか検討したい。Windows 10なら顔認識などのセキュリティ機能がデフォルトで入っているので、カメラ内蔵のノートPCなどのおけるセキュリティ面は、以前の指紋認証よりもセキュリティレベルが高い。

 アプリケーションに関しても、Windows XP時代からのソフトをそのまま動かすのでは無く、代替え手段がないのか、もしくは年に数回しか利用しない、利用する部署が限られているなどを正しく把握して、代替え手段を考えるべきだ。今までのアプリケーションや周辺機器を単に引き継ぐだけでは無く、新しいアプリケーションやデバイスへの移行を考えたい。「なぜ、このアプリケーションが導入されたのか」「どんな問題を解決するためにこのアプリケーションが必要なのか」といった基本的なところから検討し、新しいアプリケーションへの移行を考える。

 それに、XP移行時の騒動を考慮すれば、これからクライアントPCがいつ新しいPCに変わってもいいように、データなどはPCのローカルには置かず、できるだけクラウド、もしくはオンプレミスのファイルサーバなどに置くような仕組みにした方がいい。また、メールなどもOffice 365やGmailなどのクラウド型メールサーバに移行して、クライアントにメールのデータをため込まないようにすべきだろう。

 なぜなら、エンドユーザーにとってOSが変わる時の大きな問題とは、新しいPCとなっていままでのデータを移行するのに手間取ったり、今までのデータがどこにあるのか分からなくなったりすることだ。

 できれば、ユーザーにクラウドやファイルサーバを使用させるという方法より、自動的にクラウドやファイルサーバに保存されるようにしておいて、PCのローカルにはOSやアプリケーションなどの動作に必要な部分だけがインストールされているようにした方がいい。こうしてしまうと、仕事環境が特定のクライアントPCに左右されなくなるため、価格の安いPCを2〜3年で入れ替えたり、デスクトップとノートPCでほぼ同じ仕事環境を作ったりできるだろう。

 Windows 10にするというタイミングは、企業のITを見直すチャンスだ。特に、中小・中堅企業などはIT管理がルーズになりがちだったり、外部のインテグレータ任せになったりしているので、この機会に戦略的なITの利用を考えてほしい。

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