盗撮と思われそうで鬱 「iPhone 7をやめたくなった」ある機能と解決策半径300メートルのIT(2/2 ページ)

» 2016年09月20日 13時00分 公開
[宮田健ITmedia]
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そろそろどうにかしたい「シャッター音」、解決策は?

日本では初めて携帯電話にカメラがついて以来、シャッター音が消せないという仕様になっているようです。法律や迷惑防止条例で義務付けられていると思い込んでいたのですが、どうやらこれは業界団体による自主規制で、このような仕様になっているようです。

 一番気になるのが、スクリーンショットの作成時にもシャッター音がなること。この記事に使っているスクリーンショットも普段、仕事をしているカフェでキャプチャーしたのですが、大音量のシャッター音が鳴ってしまい、いたたまれない気持ちになりました。メモとしてカメラを使うことも増え、例えば経費精算のためにレシートをスマートフォンのカメラで撮影し、OCR処理して登録するという場合にも大音量のシャッター音が鳴り響いてしまうわけです。

 確かに、プライバシーの問題もあるので、人混みのなかでカメラを向けられ、音もなく撮影をされてしまっては困るでしょう。しかし、そのために“シャッター音を一律鳴らないようにする”というのはこれまた問題だと思います。

 先日リリースされ、日本でも大ブームになった「Pokemon GO」でも、現実世界の風景とポケモンが合成されるAR画面で遊ぶ様子が、まるで盗撮をしているかのようなスタイルになってしまうと話題になっていました。

 確かに「スマホを見知らぬ人に向けること」は、現代のマナー上ではやってはいけないことなのかもしれません。でも、スクリーンショットを撮ったり、ARコンテンツを楽しんだりする時には、「一見、人にカメラを向けているように見えるものの、実際にはその人を撮っているのではない」というシーンもあるわけです。

 そうなると……これは「ITの力」で問題を解決すべきなのかもしれません。例えば、盗撮になるような角度ではシャッターが切れないようにする、電車やバスなど公共な場所を判断し、そのときだけはシャッター音が鳴るようにするなど、スマートフォンが場所と状況を判断するという仕組みがあるとありがたいです。そんな機能がいつか、私の半径1メートルにやってくるはずです。

 ITの力で日々の思い出を、より楽しく振り返れるようになったいま、次はITの力で「周りに気兼ねすることなく、思い出をより多く残せる」仕組みが作られるでしょう。スマートフォンを作る、日本の、そして世界のエンジニアの皆さまに期待しつつ……。

著者紹介:宮田健(みやた・たけし)

デジタルの作法 『デジタルの作法』

元@ITの編集者としてセキュリティ分野を担当。現在はフリーライターとして、ITやエンターテインメント情報を追いかけている。自分の生活を変える新しいデジタルガジェットを求め、趣味と仕事を公私混同しつつ日々試行錯誤中。

筆者より:

2015年2月10日に本連載をまとめた書籍『デジタルの作法〜1億総スマホ時代のセキュリティ講座』が発売されました。

これまでの記事をスマートフォン、セキュリティ、ソーシャルメディア、クラウド&PCの4章に再構成し、新たに書き下ろしも追加しています。セキュリティに詳しくない“普通の方々”へ届くことを目的とした連載ですので、書籍の形になったのは個人的にも本当にありがたいことです。皆さんのご家族や知り合いのうち「ネットで記事を読まない方」に届けばうれしいです。


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