話題のVRを企業はどう使う? NECが「お試しパック」を発売

ゲームで話題のVR(仮想現実)だが、企業や組織ではどんな使い方ができるのか。NECが2週間〜3カ月でVRの用途を検討できるセットを提供する。

» 2016年10月07日 13時06分 公開
[ITmedia]

 NECは10月7日、法人向けに「VRお試しパック」を提供する発表した。VR(仮想現実)技術の活用手段を体系化し、VR導入を検討する企業などにシステムやサービスも展開する。

 VR技術は古くから存在するが、2016年に入ってゲームなどエンタテインメント分野の利用で大きな注目を集め始めた。ただ、「法人用途ではゲームのようなキラーコンテンツがなく、ユーザー側のアイデアも引き出すことでVRの可能性を広げたい」(同社担当者)として、お試しパックを提供するという。

 お試しパックでは3つの用途(トレーニング、シミュレーション、販売促進)を体験できる4種類のコンピュータグラフィックス(CG)コンテンツを含めたVR対応PCとヘッドマウントディスプレイ、モーションコントローラーをセットにし、レンタルする。利用期間は2週間、1カ月、3カ月でレンタル料は5万円(2週間利用の場合)から。

 体験可能なCGコンテンツは、トレーニング用途では工場ラインの梱包や森林伐採、シミュレーション用途ではシステムキッチンの使い勝手やデザイン、販売促進ではショールームの全方位画像を用意。ヘッドマウントディスプレイを装着し、視界に自身の手を含めることで、例えば梱包作業では荷物の詰め込み作業を疑似体験できる。システムキッチンの体験では、棚や水道の蛇口の開閉操作を確かめたり、コンロから出火した場合の様子を表示したりできる。

ラインでの梱包作業を体験するコンテンツ
システムキッチンでの火災発生も疑似体験できる

 同社は2015年からVR技術の活用検証を国内工場などで行ってきたといい、それらの結果を踏まえてVRソリューションに体系化したという。主な用途は、お試しパックで体験可能な3つのほか、遠隔地にいるユーザーとの共同作業といったコミュニケーションを想定する。

 また、同社グループのNECネッツアイがホテルや結婚式場、モデルルームといった場所の空間を撮影して立体画像化し、インターネット経由で配信するサービスを始めている。NECではグループ企業のサービスや今回のVRソリューションを組み合わせ、法人顧客にVR利用の普及を図りたいとしている。

NECネッツアイが5月に始めた空間撮影と立体画像化、ネット配信までを行うサービス。導入しているリーガロイヤルホテル東京の宴会場の画像をVR化したデモストレーション

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