セミナーでは協賛企業のソリトンシステムズ、モバイルアイアン、レコモット、ルックアウト・ジャパンから、モバイルの業務活用で浮上するセキュリティ課題の解決策について取り組みが紹介された。
ソリトンシステムは、オンライン環境で端末から情報漏えいを防ぐ「Soliton Secure Browser(SSB)」を取り上げた。SSBはマルチOSに対応した「セキュアブラウザ」アプリで、アプリからVPN接続で同社のゲートウェイサービスを中継してクラウドサービスや社内システムを利用できるという。
SSBの内部は保護領域によって守られ、外部アプリがSSB内部のデータにアクセスしたり、データを外部アプリやストレージ領域にコピーや保存したりできない設計だ。また、証明書を使った2要素認証やVPNを利用することで、第三者が不正にログインしたり、通信内容を盗聴したりできないよう対策も講じている。
一方でアプリをスムーズに操作できるよう独自のユーザーインタフェース(UI)を採用。同社ではUIの研究を長年続けているといい、高度なセキュリティ機能と使い勝手を両立できる製品に強みがあるという。
講演ではまた、SSBと同じく高いセキュリティレベルを確保しつつ、オフライン環境でも業務情報の編集や通話、メール確認などができる「Soliton Secure Container」も紹介された。
モバイルアイアンは、端末やアプリケーション、コンテンツデータ、ネットワークまでモバイルの業務利用に関わる大部分を管理可能な「エンタープライズ・モビリティ・マネージメント」(EMM)の必要性を提起した。
従来のモバイルの管理は、万一の際に端末のロックや初期化ができる「モバイルデバイスマネジメント」(MDM)が中心。端末の保護は引き続き大切だが、業務活用が進めば、情報を扱うアプリや情報自体の保護がより重要になるというのが同社の見解だという。
同社によると、企業や組織の9割以上がセキュリティを理由にiOSを採用している。しかし近年は、社員が使いやすい製品を選べるようにAndroidを採用するケースも出てきた。またオフィスPCの主流でなるWindowsの最新版「Windows 10」がモバイル対応を強化しているため、Windowsスマートフォンにも注目が集まっている。
企業や組織で採用されるOSが多様化すれば、従来の端末を中心にセキュリティ対策を講じるMDMでは対応が難しくなるという。そのため、MDMからEMMへとセキュリティ対策をステップアップで高めていく必要があると述べている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.