「復活」を宣言したMcAfee、昔の社名に戻る理由とは?FOCUS 2016 Report

Intelのセキュリティ事業部門「Intel Security」がスピンアウトし、「McAfee」として再出発を切ることになった。独立の狙いや以前の社名に戻る理由をコーポレート バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのブライアン・ダイ氏に聞いた。

» 2016年11月07日 07時30分 公開

 米Intelのセキュリティ事業部門「Intel Security」は、11月2〜3日に開催した年次カンファレンス「FOCUS 2016」で、Intelからのスピンアウト後に設立する新会社「McAfee」の事業方針などを発表した。再び独立企業になる背景をコーポレートプロダクト担当 バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのブライアン・ダイ氏に聞いた。

―― 「Intel Security」がIntelから独立する狙いは何でしょうか?

コーポレート バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのブライアン・ダイ氏

ダイ 今回のスピンアウトは、私たちの事業の成功を加速させるためになります。クリス・ヤング(Intel Security ゼネラルマネージャー)が参画してからこの2年間、私たちの事業は成長と改善を続けてきました。

 Intelは巨大な半導体企業ですが、スピンアウトによってMcAfeeはサイバーセキュリティ専門企業としてこの分野に100%注力できるようになります。顧客のためにより早く事業を展開していくスピードと柔軟性を得ることができ、戦略の実行能力が高まります。私もこの変化を大いに期待しています。

―― 新会社のブランドを以前の「McAfee」にしたのはなぜでしょうか?

ダイ 「McAfee」という名前は非常に有名なブランドであり、とてもパワフルだということです。全く新しいブランドを立ち上げるより、はるかに早く市場に認知してもらえますから、私たちは顧客のセキュリティを向上させるための技術開発に集中することができます。これは、とてもシンプルな理由です。

 また、「McAfee」ブランドの継続を多くの顧客も望んでいました。私たちは、以前(旧McAfee)から「Security Connected」というコンセプトを提唱してきましたが、これは今後のセキュリティにおいて非常に重要になります。私たちは、セキュリティ対策とはポイントソリューションではなく統合化されたシステムであるべきと考えています。今回のカンファレンスでは統合化のさらに先のビジョンとして、セキュリティ対策の自動化とオーケストレーションを示しました。

FOCUS 2016で発表された「McAfee」の新しいロゴ

―― セキュリティ対策の自動化とオーケストレーションという方向性に、企業はどう取り組むべきでしょうか。

ダイ これは課題でもあります。指標を設けることが大切でしょう。まず取り組みやすいのは、NIST(米国国立標準技術研究所)のセキュリティのフレームワークに合わせていく方法です。

 さらに、自社のセキュリティ教育がどの程度浸透しているのか、また、攻撃に注目して何回攻撃を受けたのか、どんな種類の攻撃だったかのか、そして防御の観点から何パーセントの攻撃を遮断できたのかといった点を指標にします。脅威を検知したなら、検知までにどの程度の時間を要したのかといったことも含め、ライフサイクルでその変化を見ていきます。効率性も大切です。1日あたり何件のイベントが発生し、アナリストがどの程度調査・究明にあたることができたのかといったものですね。これらの指標は非常にハイレベルといえますが、適切に利用することによってセキュリティレベルを高めていけるはずです。

―― 新会社のブランドと合わせて10種類の新製品も発表しました。

ダイ これら製品の多くは既に提供可能な状態にあります。私たちが提供するものはソリューションであり、ソリューションレベルの品質を確保するために開発やテストを重ねてきました。特にテストに関しては、各製品の開発チームが共同でソリューションレベルに仕上げるための努力していますし、数多くの顧客がβプログラムに参加していることで、彼らのフィードバックも大きく貢献してくれました。

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