「システム開発地図」の使い方と作り方 第3回もう迷わないシステム開発(3/4 ページ)

» 2016年12月01日 07時00分 公開

「ラフなユースケースモデルを作成する」〜「ユースケースモデルをブラッシュアップする」

 ユースケースモデルは、「関心対象のシステムがその利用者に対して提供するサービスを、利用者の視点から整理し、モデル化したもの」です。UMLを利用していない開発現場では、「機能一覧」とか「機能定義書」と呼ばれているものが相当します。

ラフなユースケースモデルを作成する

 システム開発地図から、「ラフなユースケースモデルを作成する」という作業に関連する成果物を抜き出してみましょう。

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 業務分析で作成した業務フローの情報を基にユースケースモデルが作成され、後の成果物に変換されていく様子が見て取れると思います。この作業の入力と出力は次のようになります。

  • 入力
    • 業務フロー
  • 出力
    • ユースケースモデル(梅レベル)(注3)
    • アクティビティー-ユースケース対応表(梅レベル)

 ユースケースモデルでは、図と文章を記述します。

  • ユースケース図: システム全体でどのサービスが誰に提供されるのかを概観する図
  • ユースケース記述:アクターとシステムとのやりとりを、ユースケース毎に把握する文章

 まずは業務フローから対象システムとやりとりのあるアクティビティーを機械的に抽出して、ユースケース(の候補)として仮置きします。中心的なアクターは、業務フローの中でシステムとやりとりのあったスイムレーンと対応します。このアクターは後に洗練化されていきます。この作業では、ユースケース記述は、概要のみにしておき、後続のブラッシュアップ作業の中で、詳細な記述を作成します。アクティビティーとユースケースの対応を管理するために、対応表を作成します。

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注3: システム開発地図では、ユースケースモデルの洗練度に応じて松・竹・梅の3段階を設定しています。

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