ドメインモデル作成の5つの注意点 第4回もう迷わないシステム開発(4/4 ページ)

» 2016年12月14日 08時00分 公開
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各図・モデルをブラッシュアップする

 要件定義の最後に、それまで作成した成果物をブラッシュアップします。

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 この作業では、各成果物の作成過程で判明した事実や用語のブレを、他の成果物へ反映(訂正)します。

 成果物間の整合性を要素レベルまで担保し、前工程の成果物とのトレーサビリティーを保証することがシステム開発地図の重要な点です。このブラッシュアップの作業なくしては、成果物の整合性を確保し、業務分析から実装までの整合性、一貫性を保つことはできません。

  • この作業の目的:
    • 各モデル間の整合性を取る
  • 入力:
    • 用語集
    • ユースケース図(松レベル、ドラフト)
    • ユースケース記述(詳細、ドラフト)
    • 分析クラス図(松レベル、ドラフト)
    • ロバストネス図(松レベル、ドラフト)
  • 出力:
    • 用語集
    • ユースケース図(松レベル、ベースライン)
    • ユースケース記述(詳細、ベースライン)
    • 分析クラス図(松レベル、ベースライン)
    • ロバストネス図(松レベル、ベースライン)

まとめ

 今回は概念モデルと用語集に着目してシステム開発地図とその変換レシピを説明してきました。

 各成果物は最初から完璧に仕上げることはできません。分析や設計を進めていく中で、他の成果物に対してフィードバックを行い、整合性を保ってブラッシュアップしていく必要があります。

著者プロフィル:今田忠博

SIの現場でSE、PMなどを経験。SI現場で悲惨な体験をし、開発現場を効率的にしたいと2004年に豆蔵に移籍。アーキテクトやフレームワークの設計・実装、PM支援、要件定義コンサルタントなどの業務を経験。そもそも要求が間違っていると、そのあといくらがんばっても幸せになれないと理解する。現在は保守の効率化のため、自動打鍵テストの省力化に取組中。


著者プロフィル:近藤正裕

豆蔵 技術コンサルティング事業部に所属するITアーキテクト。ユーザー系企業でシステム開発、研究開発を担当し、2003年から現職。Java/.NET によるエンタープライズシステム開発を多数手掛ける。アーキテクチャ構築、フレームワーク開発、開発者向けガイド作成、各種自動化を実施してプロジェクトを推進するとともに、アプリケーション品質・開発効率の向上を目指す。


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