App Storeで配信するアプリに対してHTTPS利用を義務付ける「App Transport Security」(ATS)は、当初2016年末を期限としていたが、開発者から戸惑いや反発の声が出ていた。
米Appleは、App Storeで配信するアプリに対してHTTPS経由のセキュアなネットワーク接続の利用を義務付ける「App Transport Security」(ATS)について、2016年内としていた実装期限を延期すると発表した。
ATSはiOS 9とOS X v10.11から導入された機能で、通信の内容が暗号化されるHTTPS接続の利用をアプリに義務付けることによって、ユーザーのセキュリティとプライバシー保護を強化する狙いがある。
ATSを義務付ける方針は2016年の開発者会議(WWDC)で発表されたもので、2016年末を期限として、App Storeに提出するアプリにATSのサポートを義務付けるとしていた。これに対して、Apple開発者フォーラムではアプリ開発者から、「HTTPSのために追加料金を払っていないWebサイトではiOSにアクセスできなくなる」といった反発や戸惑いの声が上がっていた。
Appleは12月21日に開発者サイトに掲載した告知で、「追加的な準備期間を与えるために期限を延期する」と発表。新しい期限については後日公表するとしている。
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